「超越と発展-中国の日本学研究と日本の中国学研究」と題する国際シンポジウムが10月25日から26日にかけて、北京外国語大学で開催されました。このシンポジウムは、中日共同事業として同大学に創設された北京日本学研究センターの設立40周年の記念行事としても位置づけられています。
25日の開幕式には北京外国語大学の王定華書記、日本国際交流基金の黒澤信也理事長、日本の金杉憲治駐中国大使らが出席してあいさつを行いました。
王書記は、「日本学研究センターは中日両国の文化交流、教育協力の成功したモデルだ」と評価し、「百年に一度の大変革が加速する中、中日関係には『二国間関係の域を超えた重要な意義』がある。時代の変化とともに、両国が協力とウィンウィンを達成する方法を見出すことが、時代からの課題だ」と述べました。王書記はさらに、この課題に向けて「研究対象をしっかりと見定めること、国内、二国間、地域、国際という4つの次元を視野に学際的研究を深めること、相手への理解を深め、両国関係の安定発展に知的支援を提供すること」と、具体的な提案も行いました。
日本国際交流基金の黒澤理事長は、同センターは中国における日本研究の発展や人材育成で「中核的な役割を担っている」と評価し、今後は「確固たる基盤の上に、世界の他地域の日本研究者や研究機関との直接的なつながり、国際的なネットワーク強化と協働の拡大」に一層取り組むよう激励しました。
金杉大使は、同センターは「先人達が積み重ねた努力の結晶であり、日中双方が守り伝えていくべき『宝』だ」と訴え、「世界最高レベルの日本学の研究拠点として40周年を機に、学術交流の深化と国際化をけん引することを期待する」と述べました。
シンポジウムでは京都大学の山室信一名誉教授とマカオ大学と南京大学で活動する孫江教授を迎えての基調講演のほか、「中国の日本学研究―その40年後を考える」「文化対話」「社会力学」「思想連動」「観光立国の条件」などをテーマに、円卓フォーラム、パラレルフォーラム、分科会が行われました。同フォーラムには東京大学、京都大学、清華大学、北京大学など両国の大学や研究機関から計340人あまりの研究者が参加しました。
北京日本学研究センターは、1979年に中日文化交流協定に基づき作られた「日本語研修センター」(通称・大平学校)を前身として、1985年に創設されました。目的は中国における日本語・日本研究、日本との交流に携わる人材の養成です。これまでの40年間で中国人指導教官と日本から派遣された延べ800人の教授の指導を仰ぎ、修士および博士を約1300人、その他の研修生を約700人育成しました。センターでは、春に全国日本語教育大会、秋には大規模な日本学研究国際シンポジウムを開催することが恒例になっています。











