2025年10月26日、韓国・ソウル新聞は、韓国人男性がフィリピンで現地女性との間にもうけた子ども、いわゆる「コピノ(Kopino)」を放置して帰国する事例が慢性的な社会問題となっており、市民活動家による「韓国人の父親」の顔写真公開が相次いでいると報じた。

記事によると、韓国の市民活動家ク・ボンチャン氏はSNS上で複数の韓国人男性とその子どもの顔写真を公開し、「フィリピンに子どもを残して帰国した父親らを探している」と訴えた。

残された子どもの1人である2018年生まれの女の子は病気を抱えているものの、金銭的な問題で治療を受けられない状況にあるという。

帰国した男性の中には、自身の住所を「北朝鮮・平壌(ピョンヤン)」だと偽って逃げた人物もいたという。ク氏は「男性らは語学留学中に現地女性と子どもをもうけ、行方をくらました。留学先にはパスポート番号や電話番号が残っているが、個人情報保護のため入手できない」と説明した。さらに「SNSに写真を掲載すると情報提供もある一方で、名誉毀損で訴えるとの脅迫を受けることも多い」とし、「(写真の公開は)法律的には有罪になる可能性もあるが、これが最後の手段」と訴えた。

記事はまた、ク氏の「韓国人の父親に捨てられた子どもは約5万人に達し、これがフィリピンでの反韓感情を助長している」との見方を伝え、マニラの電柱に貼られた「KOREAN GO HOME(韓国人は帰れ)」の張り紙の写真を掲載した。

ク氏は以前からフィリピンのシングルマザーを支援する団体を運営しており、これまでに1500件を超える養育費支払いを実現。一方で名誉毀損罪で起訴され、24年に最高裁から罰金100万ウォン(約10万6000円)の判決を受けた。それでも「放置された子どもを救いたい」として、現在もボランティアとして支援活動を続けているという。

これについて、韓国のネットユーザーからは韓国人の父親に対して、「本当に腹が立つ」「人のやることか」「妊娠させたなら責任を取れ」「顔写真をもっと公開して」「こういう男が普通に生活しているのが怖い」などの声が上がった。

また、「政府が公式に対策を立てるべきだろう」「(ク氏を)名誉毀損で脅すなんて信じられない」「子どもを捨てた男の方を法で取り締まってほしい」「国は少子化を訴えておきながら、この問題は放置している」といった意見も見られた。(翻訳・編集/樋口)

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