トランプ米大統領は10月25日、カナダでレーガン元大統領のスピーチを「偽造」した広告が発表されたと非難し、「編集された音声映像で世論を誤誘導した」として、カナダ製品に対する関税を10%引き上げると表明しました。

カナダ・オンタリオ州のフォード首相は10月16日、SNSのXに広告動画を投稿しました。

動画には1987年に米国のレーガン元大統領が行ったラジオ演説の抜粋が用いられました。レーガン元大統領は「長期的に見れば、このような貿易障壁は米国のすべての労働者と消費者の利益を損ねる」、「高関税は必然的に外国の報復を招き、激しい貿易戦争を引き起こす」と繰り返しました。

フォード首相はさらに、7500万ドル(約11億円)を投じて「レーガン元大統領が関税を批判する」この広告を全米で配信すると表明しました。カナダのカーニー首相は同件について「双方がすでに達成した進展にいつでも対応できる準備ができている」と述べただけで、広告そのものに対するコメントは控えました。

トランプ大統領はこれまで公の場で何度もレーガン元大統領への敬意を表明し、レーガン元大統領を政治家として偶像視しています。トランプ大統領の象徴的な選挙スローガンである「アメリカを再び偉大に」は、まさにレーガン元大統領の選挙演説に由来するものです。

この広告はトランプ大統領の関税政策の譲れない一線に触れただけでなく、トランプ大統領の政治面での偶像に対する感情的共鳴に抵触したとの見方が出ています。(提供/CRI)

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