中国メディアの環球時報は29日、「中国が世界の科学リーダーとして米国に迫る」とする米ブルームバーグの記事を紹介した。

記事によると、中国の科学者は米国との共同研究のほぼ半数で主導的役割を担っていることが、約600万編の研究論文に対する分析で明らかになった。

米国科学アカデミー紀要に発表された研究によると、中国に拠点を置く科学者が米国との共同研究で主導的役割を担う割合は、2010年の30%から23年は45%に上昇した。この傾向が続けば、中国は27年または28年に米国と肩を並べることになる。つまり、両国が共同研究を同等の割合で主導することになる。

記事によると、研究者らはこの研究について、「国境を越えた共同研究における中国の科学者の権力構造の変化に焦点を当てることにより、国際科学における中国のリーダーシップの高まりを観察するためのレンズを提供する」と述べている。研究結果は、中国がもはや科学研究の成果を創出しているだけでなく、それを組織化していることを示唆している。

記事によると、この研究では、中国が戦略分野でも勢力を伸ばしていることが明らかになった。米国立科学財団が認定した11の重要技術分野のうち、人工知能(AI)、半導体、エネルギー、材料科学などの8分野で、中国の研究者は30年までに米国と同等の主導的役割を担うと予想されている。

記事は「この研究結果は、米国の研究機関が数十年ぶりの深刻な混乱に直面している中で発表された」とし、「トランプ政権による大規模な予算削減と連邦政府の科学機関における大量解雇が米国人研究者の流出を引き起こしている」と伝えた。(翻訳・編集/柳川)

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