中国メディアの参考消息はこのほど、「全世界でファンが3億人もいる福建の海の女神」を紹介する記事を発表した。
その女神とは媽祖(まそ)だ(写真参照)。
人々は出航前に媽祖を祭り、船上に媽祖を祀り、旅の安全を祈願してきた。多くの航海者が媽祖の精神に導かれて琉球、ジャワ、アラビア半島やアフリカ東岸までの広大な地域に赴き、媽祖は中国と外国の重要な文化の絆になった。
中国の航海業の発展に伴い、媽祖信仰は世界各地に広がった。媽祖が航海を守護した功績は世界的に知られ、港が建設されるたびに媽祖廟が併設され、媽祖文化はその地域に根付き、「海水のあるところに華人あり、華人のいるところに媽祖あり」という世界に及ぶ文化現象が形成された。現在では50の国と地域に1万1000余りの媽祖宮廟が分布し、崇敬者は3億人を超えている。
2009年、媽祖信仰は国連教育科学文化機関(ユネスコ)によって、人類の無形文化遺産のリストに追加された。媽祖は海の女神として、仁愛の心、弱者を助け貧者を救う性格、「徳を立て、善を行い、大いなる愛を持つ」という性格を持つ。
媽祖は17年、注目を集める「国境を越えた巡行」を開始した。「仮想身分証」を携えて飛行機、クルーズ船、高速鉄道に乗って、マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイなどの国々に赴いた。訪れる先々では人々が押し寄せ、「媽祖ブーム」を巻き起こした。
「中華三大祭典」の一つである媽祖祭典は、中国内外の華人が同じ根を持ち、心を通わせ、精神的に結びついていることを示す重要な儀式だ。「天下の媽祖が里帰りする」とされる毎年の旧暦3月23日には、世界各地から媽祖を敬う人々が海を越えて、媽祖昇天の地とされる莆田の湄洲島へと赴き、媽祖を参拝する。
16年には第1回世界媽祖文化フォーラムが湄洲島で開催された。同フォーラムはその後、媽祖文化の国際交流と協力を深める新たな取り組みになった。参加者は第1回の300余人から直近2回では1500余人に増加し、参加者の属する国と地域の数は、第1回の19から41にまで増えた。
第10回世界媽祖文化フォーラムの会期は10月31日から11月2日までで、初めてベトナム、タイ、マレーシア、オーストラリア、フランス、モザンビーク、ブラジルなどからの参加があった。また、香港、マカオ、台湾地域に11の分会場が設置された。(翻訳・編集/如月隼人)











