中国では10月30日時点で30の省・自治区・直轄市(以下、「省」)が2025年1~9月の経済データを公表しました。統計によると、広東省と江蘇省の域内総生産(GDP)がいずれも初めて10兆元(約210兆円)を突破し、経済大省としての地位をさらに強化しました。
中国全体のGDPは101兆5000億元(約2200兆円)で、実質成長率は前年同期比5.2%でした。12の主要経済省のうち10省が全国平均を上回る伸びを示しています。広東省は10兆5200億元(約230兆円)、江蘇省は10兆2800億元(約220兆円)と、いずれも堅調に拡大しました。浙江省と山東省もそれぞれ5.7%、5.6%の成長率となり、強い底力を見せています。また、通年の見通しとしては福建省と北京市の経済規模も新たな関門を突破し、それぞれ6兆元(約130兆円)台と5兆元(約110兆円)台という新たな発展段階に達する見通しです。
一方で、産業構造の高度化が顕著に進んでいます。装備製造業が各地で工業成長の主力となり、江蘇省や安徽省では工業成長への寄与率が70%を超えました。ハイテク製造業の付加価値は浙江、海南、四川などの省で10%以上増加し、安徽省や広西チワン族自治区では27%超の高成長を記録しました。専門家は、政策支援と技術革新の相乗効果が製造業の急成長を支えていると分析しています。
また、デジタル経済の中核産業が新たな成長エンジンとして浮上しています。浙江省ではデジタル産業の付加価値が11.6%増加し、北京市では情報通信・ソフトウエア関連産業がGDP成長率を2.5ポイント押し上げました。
さらに、地域間・都市農村間の発展格差も縮小傾向にあります。西部地域では雲南省の新エネルギー電池産業が73%の伸びを示すなど、新たな成長エンジンが急発展しています。また、多くの省で農村住民の可処分所得の伸びが都市部を上回りました。
中国経済は外部環境の不確実性などの課題を抱えていますが、中国経済の強靱(きょうじん)性と成長潜在力は変わっていません。専門家によると、今後は短期的な安定成長と中長期的な構造改革を両立させ、新旧産業の協調発展を進めることが求められます。(提供/CRI)











