11月5日に中国の上海で始まる「第8回中国国際輸入博覧会(輸入博)」には、155の国と地域および国際機関が参加し、海外企業4108社が出展します。展示面積は全体で43万平方メートルを超え、過去最大規模です。

輸入博は今や、各国企業が中国市場への信頼を示す舞台です。医療機器大手のテルモ(TERUMO)は、輸入博を通じて中国との絆を深めてきました。

テルモは1995年、浙江省杭州市に「泰爾茂医療産品(杭州)有限公司」を設立し、1997年に本格的な操業を開始しました。同社は現在、中国における最大の生産拠点に位置づけられています。テルモはまた、長春や北京などでも子会社を展開しています。2024年11月には、杭州工場で新たに「血液・細胞テクノロジーカンパニー」製品の生産を開始し、現地での供給体制を一層拡充しました。

テルモ(中国)投資の山村恒太取締役兼副総経理は、「中国市場は私どもにとって極めて重要であり、今後も拡大を続けると確信しています」と述べました。輸入博への参加については、「高品質の製品や患者中心の医療理念を発信する良い機会であり、中国医療の発展に寄与したいという私どもの決意を表す場になっている」と説明しました。

【輸入博に集結 日系企業の視点】信頼から成長へ、テルモ中国30年の歩み

テルモが中国に進出してから30年が経ちました。輸入博への出展は今回が8回目です。山村副総経理は「中国は世界経済に欠かせない存在であり、長期的に見ても成長が続く」との考えを示し、中国市場への注力を今後も強めていく方針を明らかにしました。

テルモ医療製品(杭州)の張炎(チャン・イエン)取締役社長は、「かつて海外で生産していた製品を中国国内で現地化することにより、先進的な技術を導入しつつ中国の医療の発展に貢献していく」と述べました。

【輸入博に集結 日系企業の視点】信頼から成長へ、テルモ中国30年の歩み

同社工場では現在、約50の製品カテゴリー、2000を超える品目を生産し、中国国内だけでなく世界の50以上の国と地域に輸出しています。

張社長はまた、「生産や技術の人材を大学から直接採用し、自社で育成する体制を確立した。技術や品質への理念、さらに企業文化を次世代に伝えることを重視している」と語り、人材育成にも力を入れていることを強調しました。

テルモは30年の経験と信頼を基盤に、今後も中国での医療イノベーションを推進していく考えです。輸入博での出会いから始まった協力も、現地での生産と人材育成を後押しするという新たな形で実を結んでいます。医療の懸け橋としての歩みを、テルモはこれからも力強く進めていきます。(提供/CRI)

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