台湾メディアの中時新聞網は4日、京都で台湾人女性が痴漢被害に遭ったことを訴えたものの、日本の警察の対応が台湾のネット民の怒りを爆発させていると報じた。
記事によると、京都で留学中だという被害女性は台湾の若者向けSNS・Dcardに事の経緯を投稿した。
怒りを覚えた女性が男性を追いかけて止まらせようとしたものの止まらなかったため、前方に回り込んで男性の腹に蹴りを入れて止まらせた。「どうして触ったのか」と問い詰めると、男性の同行者らが「軽く触っただけ。冗談のつもりだった」などととりなそうとした。怒りの収まらない女性が「警察を呼ぶ」と言うと、男性の同行者らが「警察は呼ばないでほしい」などと言い、当事者の男性の頭を押さえて下げさせ、謝らせた。
女性がDcardに投稿した動画には、当事者とみられるシャツにネクタイ姿の若い男性が深く頭を下げ、「本当にごめんなさい」と謝る様子が映っている。女性によると、この謝罪をスマートフォンで撮影し終えた途端、男性の同行者らが「謝ったんだからこの件は終わり。警察は呼ばないで」などと言い残し、タクシーに男性を乗せてその場を離れされ、自分たちも去っていったという。
なおも不満だった女性は交番に向かったが、男性の謝罪動画を見た警察官は「本来ならその場で通報して、警察の到着を待つべきだった。相手はもう立ち去っているので、こちらとしても探すことはできない」などと説明。「彼は謝ってるのに、これ以上彼にどうしてほしいの?」といった口ぶりだったといい、女性が「じゃあ、また同じようなことがあったら私は許さないといけないのですか?」と聞くと、「そういうことではないけど、もう謝ってるんだから」と応じたという。
女性は事件があった時間や場所を警察に伝え、動画を渡して監視カメラを調べてほしいと依頼したが、しばらく経っても連絡はないとのこと。男性の顔が映った動画を日本のSNSに投稿することも考えたものの、警察から「そうすると逆に名誉棄損(きそん)になる」と言われたため、できずにいるという。
女性は「本当に怒りと悔しさでいっぱいです」「警察の対応で、『もしかして私がしつこいだけなのかな。相手が謝ったら私は許すべきなのかな』と思うようになりました。でも、今でも心の中に不快感が残っています。私が過敏すぎるのでしょうか?彼を探して訴えようと思う私は、しつこいのでしょうか?」と心境をつづっている。
台湾のネットユーザーからは「その場で声を上げたのは勇敢だったね。警察の態度には失望した」「相手が謝ったからといって、許さなければならないわけじゃない」「警察に捜査するよう粘り強く求めて、駐日代表処に連絡すると伝えるといい。お尻をたたくとかひどすぎる」「日本人のイメージを美化しすぎない方がいい」「日本の警察は公務員的な態度がとても強く、相手が外国人だとなおさら関わりたがらない」といったコメントが寄せられた。一方で、女性が当日、露出の多い服装をしていたのではないかなど、女性側の非を指摘する声も見られた。
また、日本の事情に詳しいユーザーは「日本のプライバシーに関する規範は台湾と大きく異なり、どこにでも監視カメラがあるわけではない。ネット上での身元特定は日本ではプライバシー侵害の犯罪にあたる」とし、「もし相手に代償を払わせたいのなら、弁護士に依頼するか、もしくは駐日代表処に弁護士を紹介してもらうことを検討した方がいい」とアドバイスした。
女性は11月5日にDcardの投稿を更新し、「皆さんのアドバイスや気遣いに感謝します」とコメント。当日の服装については35センチ丈の普通の短パンで過度な露出はなかったと説明しつつ、「私が何を着ていたかは理由になりません」と訴えた。そして、「あまり友好的でないコメントも多いですが、励ましの言葉をくれた皆さんには本当に感謝しています。この件は必ずきちんと対応します。(留学は)まだ2年半ありますが、もう自分が傷付けられることを許しません。博士の卒業証書を手にしたら、すぐに京都を離れます」とつづった。(翻訳・編集/北田)











