カンボジア華字メディアの柬中(けんちゅう)時報はこのほど、同国国内で6月下旬に始まった「ネット詐欺一掃作戦」の状況を紹介する記事を発表した。
カンボジア政府は今年6月下旬から全国を対象とする「ネット詐欺一掃作戦」を実施し、多くの違法拠点を摘発してきた。
カンボジア内務省のドゥ・ソク報道官は、今回摘発された2カ所の拠点ではそれぞれ異なる詐欺の手口が用いられていたと説明した。うち1カ所では、警察などを装う手口で、音声通話により被害者を脅して送金させていた。警察はこの拠点で57人の身柄を拘束した。内訳は台湾人32人、日本人13人、フィリピン人8人、ベトナム人3人、シンガポール人1人だった。
もう1カ所の詐欺拠点は9階建ての建物内に設けられており、内部には外国人601人がいたが、大多数はベトナム国籍だった。警察によれば、この拠点では手口が多岐にわたり、偽の投資話、偽造された銀行送金記録、恋愛詐欺、マラソンイベントを装った詐欺などが行われていた。犯行グループは人工知能(AI)を利用するディープフェイク技術を用いて偽の映像を作成し、偽の身分を装って信頼を得た上で詐欺を働いていた。
カンボジアのフン・マネット首相は7月14日に「ネット詐欺一掃計画」について9項目の行動指令を発令し、各地方政府と警察などに対して強力な連携を求めていた。報道によれば6月27日から10月14日までの間に全国で92回の合同摘発が実施され、18の省市にまたがって、合計3455人が摘発された。
身柄を拘束された者の出身地は中国、台湾、ベトナム、インドネシア、インド、バングラデシュ、タイ、韓国、パキスタン、ネパール、マレーシア、日本、ミャンマー、フィリピン、ラオス、さらにアフリカからはナイジェリア、カメルーン、ウガンダ、シエラレオネ、モンゴル、ロシアと21の国と地域に及んでいた
カンボジア当局は国際社会に対して、ますます横行する越境詐欺グループの活動を取り締まるため、協力を強化するよう呼びかけている。











