台湾メディアの中時新聞網は9日、中国のレアアース(希土類)を完全に置き換えるには8年から12年かかると予想され、欧州にはそのような時間的余裕はないとする記事を掲載した。

記事はまず、中国商務部が9日、米国に対するガリウムやゲルマニウムなどレアメタル(希少金属)の輸出禁止措置を解除すると発表したことを取り上げた。

その上で、レアアースはF-35戦闘機やドローン(無人機)、潜水艦、トマホークミサイル、レーダーなど、米国や欧州の兵器技術の重要な原料であり、欧州の再軍備計画でも重要な物資となっているとし、海外メディアによると、欧州連合(EU)は重要なレアアースの約98%を中国から輸入しており、米国は80%を中国から輸入していると伝えた。

そして、米ニューヨーク・タイムズ中国語版の7日付報道を引用し、EU安全保障研究所が「主要鉱物の供給が途絶えれば再軍備は不可能になる」との見方をしていることや、SFA(オックスフォード)のアナリストが中国のレアアースを完全に置き換えるには8年から12年かかると予想しており、防衛産業について言えば、欧州にはそのような時間的余裕はないと伝えた。(翻訳・編集/柳川)

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