「パリ協定」採択10年と中国の「ダブルカーボン(カーボンピーク・カーボンニュートラル)」目標提唱5年を迎えるに当たり、中国環境科学研究院の支援の下、公衆環境研究センターが主催するテーマ交流会「太陽光発電が後押しする世界のグリーン・低炭素化」がこのほど北京で開催された。会場では「2025中国太陽光発電建設進捗報告」が発表され、中国における太陽光発電建設の主要成果をまとめたほか、ゴビ砂漠から都市・農村の屋根まで広がる建設の実践を紹介し、技術的ブレークスルーやモデルイノベーションが世界の気候行動に果たした貢献を整理した上、中国の太陽光発電が10億キロワット(kW)を起点として、より質が高く持続可能な未来へと進む展望を示した。

人民日報海外版が伝えた。

報告によると、中国の太陽光産業は過去10年間で急速に成長し、世界のエネルギートランスフォーメーションをけん引する重要な原動力となっている。

6月末時点で、中国全体の太陽光発電設備容量は約11億kWに達した。1~7月の新規太陽光発電設備容量は2億2300万kWで、同期間の火力発電新規設備容量の5.3倍に上る。この数字は中国の電力システムが急速にグリーン・低炭素化を実現しつつあることを物語っている。

報告はまた、中国の太陽光発電が「西部集中・東部分散」の全国的な発展構造を形成していることを示した。内モンゴル自治区、青海省、新疆ウイグル自治区、甘粛省、寧夏回族自治区など西部地域では砂漠などの土地資源を活用した集中型太陽光発電拠点を積極的に開発し、国家クリーンエネルギー戦略の重要な支柱となっている。中部および華南の一部地域では集中型と分散型を併用する開発が進み、河南省や安徽省、湖北省などでは石炭採掘による陥没地、砂漠化した山地、丘陵緩斜面などの低効率土地や養殖池の水面を利用した集中型太陽光発電所が建設されている。人口密集地の平野部では主に分散型太陽光が導入されている。また、東部沿海の山東省、江蘇省、浙江などでは製造業の基盤と電力需要の高さを生かし、分散型太陽光を産業高度化に深く組み込み、「ゼロカーボンパーク」「グリーン工場」「太陽光発電村」を構築している。

全国各地で「太陽光+」の複合モデルが広く普及している。江蘇省塩城市の「農業・太陽光発電相互補完」プロジェクトでは、高架設計と広い列間距離の採用により「パネル上で発電、パネル下で栽培」を実現し、作物への日照を確保しつつ土地利用効率を高めている。

貴州省では、岩石石漠化した地帯での太陽光発電建設が薪の使用を置き換え、生態修復と生活改善の両立を支援。広西チワン族自治区の「漁業・太陽光発電相互補完」プロジェクトでは、太陽光パネルの下に水産養殖拠点を設け、農家の所得向上を支援している。

交流会では、専門家や企業代表、研究者らが「この技術・政策・国民参加型の再生可能エネルギー革命が、中国が最近打ち出した2035年までに風力・太陽光発電の総設備容量を36億kWに達成するという国家自主貢献目標の実現に基盤を築くとともに、世界のエネルギートランスフォーメーションに対し、再現可能で普及可能な中国発のソリューションを提供している」との認識で一致した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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