中国メディアの環球時報は17日、「中国の草の根文化が世界的に脚光を浴びるようになった理由」と題する香港英字メディア、サウスチャイナ・モーニング・ポストの記事を紹介した。

記事はまず、米中西部の小さな町に住む47歳の退役軍人の女性、ナタリー・ハッブルさんを取り上げ、「彼女は中国のファンタジー物語に描かれた神話の世界に浸りながら夜を過ごすのが大好きだ。

中国を訪れたことはないが、彼女ほど中国の神話物語を説明できる人はほとんどいない」と紹介した。

その上で、「ハッブルさんや中国文化とのつながりを感じている多くの人々にとって、インターネットとソーシャルメディアが地球の反対側の人々の生活を垣間見る窓となっている。近年、中国文化はさまざまなジャンルにわたって海外で人気が高まっている」と指摘。その例として、中国の4大奇書の一つである「西遊記」を題材としたビデオゲーム「黒神話:悟空」や中国神話にインスピレーションを得たアニメ映画「ナタ 魔童の大暴れ」が世界的に大ヒットしたことや、中国の作家、劉慈欣氏によるSF大河小説「三体」がNetflixでテレビシリーズ化されたことを挙げ、「観察者によると、中国のソフトパワーの成長は、現代社会に対するさまざまな視点や普通の中国人の生活への洞察を提供する草の根文化創造の活力によるところが大きい」と伝えた。

記事によると、独フライブルク大のジェシカ・インバッハ助教授は「小説やゲーム、その他のポップカルチャー作品を通して中国を見ると、さまざまな『中国』を想像することができるだろう。しかし私たちは非常に狭い地政学的なレンズを通して見てしまうことが多い。実際、中国のクリエーターたちは世界的な文化エコシステムの一部であり、世界中の他のクリエーターと同じトレンド、欲求、美学に反応している」と語る。

記事は「ウェブ小説からファンタジーアニメに至るまで、中国のオンライン文化創作物の多くも世界中に広まっており、この傾向はデジタルプラットフォームの発達とますます高性能化する翻訳ツールに支えられている」とし、「ある報告書によると、中国のオンライン文学作品には海外に約2億人のアクティブな読者がいて、そのほとんどはアジアに集中しているが、約30%は北米在住で、欧州と中南米でもその数は増加している」と伝えた。

記事は、中国の研究者の話として「例えば、中国のファンタジー小説は、伝統的な中国文化と西洋文化、未来へのビジョンの要素を融合していて、世界的なトレンドに影響を与え、先導する可能性を秘め、国際的に広まり、反響を呼ぶことができる。中国のSFの隆盛は、同国の技術進歩と関連がある」と伝えた。

また、業界関係者の話として「本当に重要なのはオープンであること、つまり、真の創造性と活力に満ちた、自発的な草の根の声を受け入れ、広めることだ。そうした作品こそが、中国文化を最も独創的で生き生きとした姿で真に表現している」とも伝えた。

(翻訳・編集/柳川)

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