2025年11月17日、中国本土の映画市場で、日本映画の公開が相次いで中止・延期される事態が発生した。複数の作品が突然スケジュールから外れ、すでに販売されたチケットが一斉に払い戻されるなど、異例の混乱が広がっている。

■ 公開中止となった作品

「映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ」

当初は12月6日公開予定。配給側が「公開を延期し、日程は未定」と発表し、すでにチケットの払い戻しが始まった。

「はたらく細胞」

11月22日の公開を予定し、17日に前売り券の販売が開始されたばかりだったが、同日中に突然公開中止になった。購入者には払い戻し通知が送られ、複数の映画館が「上映中止」を確認した。

中国本土で日本映画が相次ぎ公開中止、背景に政治的緊張も

■ 影響拡大:公開予定作品も一斉延期

以下の作品はすでに中国での公開が発表されていたが、新たな上映日が未定のまま延期された。

「Happyend」

「ファーストキス 1ST KISS」

「8番出口」

中国本土で日本映画が相次ぎ公開中止、背景に政治的緊張も

また、まだ審査に出されていなかった日本映画は審査手続きが停止。すでに上映許可を得ていた作品も、映画館での上映スケジュールが取り消されている。

■ 現在上映中の作品にも影響

「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」

11月14日の公開後、興行収入は4億元(約87億円)に到達したが、上映許可が11月20日以降は延長されない可能性があり、一部映画館では「前倒しで上映終了となる恐れがある」とされている。

高市早苗首相の台湾をめぐる先日の発言に中国は抗議し、日本への渡航自粛や日本留学に対する慎重な検討を国民に呼び掛けるに至った。今回の日本映画の公開中止や延期は日本に対する報復措置の一つと受け止められている。(取材/RR)

編集部おすすめ