高市早苗首相の台湾有事をめぐる発言に中国が反発を強める中、中国の抵抗措置で「日本の経済界が慌てている」との報道に中国のネットユーザーから皮肉めいたコメントが殺到している。
中国国営の中央テレビ(CCTV)のサイト・央視網は21日、SNS・微博(ウェイボー)のアカウントで「中国とのいさかいの中で日本の経済界がまず慌てた」と見出しを打ち、「日本経済界は集団的な焦りに陥っている」とのハッシュタグを付けて投稿した。
そして、北東アジア動態研究会代表の木村知義氏の話として、「高市氏の発言は日中国交正常化の最も核心となる原則を無視したもので、極めて重大な誤りだと思う。現在の状況は日本の経済界を混乱させている。中国との経済関係が破綻すれば日本は立ち行かなくなる。中国は日本最大の貿易相手国であり、中国との関係が悪化すれば日本社会にどれほど大きな衝撃が生じるかを自覚すべき」と伝えた。
微博では「日本経済界は集団的な焦りに陥っている」がトレンド上位に入ったが、中国のネットユーザーからは「中国の対抗措置が日本に効いている」と連日大々的に報じる自国メディアへの皮肉が相次いでいる。
寄せられているコメントで最も多くの共感を集めたのは「これは『精神勝利』ではないのか?」だった。「精神勝利」あるいは「精神勝利法」は、中国の作家・魯迅の小説「阿Q正伝」に由来し、現実には劣勢であるのに自分が優位に立っていると思い込む心理的な動きを指す言葉だ。
コメント欄にはこのほかにも、「現代版阿Q」「こちらが『勝ち』と言ったら勝ちってことか」「日本側はそれ、知ってるのかい?」「自分でhigh(ハイ)になってるだけじゃないでしょうね?」「各分野での制裁で、日本経済は崩壊っと(棒)」「世界が恐れおののき、慌てている(という報道ばかり)。私はテレビを消したら、気分がずっと良くなったよ」「われわれは慌ててないの?」「私の証券口座の方がもっと大変なことになってる」「私も慌ててる。金のために世界平和を望む。衝突はやめて」「自分で持ち上げた石を自分の足に落とす(自業自得)」といった声が続々と寄せられており、中には「コメント欄がマジでウケる。(中国メディアの)編集はコメント欄を閉鎖するのを忘れているのか?」と書き込むユーザーまでいた。











