「第15次五カ年計画(2026~30年)」提案は、「先見的に未来産業の布陣を敷き、多様な技術ルート、典型的な応用シーン、実現可能なビジネスモデル、市場規制・監督ルールを模索し、量子科学技術、バイオマニュファクチャリング、水素エネルギーと核融合エネルギー、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)、エンボディドAI、第6世代移動通信(6G)等を新たな経済成長分野にしていく」ことを打ち出した。中国は積極的に未来産業を育成して、質の高い発展に新たな原動力を注入し続けている。
【第2回】北京化工大学の譚天偉(タン・ティエンウェイ)学長(中国工程院院士)
「炭素消費」から「炭素循環」へ
原料の再生可能性、プロセスのグリーン化、産物の設計可能性といった特徴を持つバイオマニュファクチャリングは、伝統的な発酵産業と合成生物学の最先端技術が高度に融合した新産業だ。未来に向けて、バイオマニュファクチャリングは新たな産業空間を切り開きつつある。
医療・健康分野では、合成生物学技術を基盤に、遺伝子編集薬などの精密医療製品をカスタマイズ生産できる。農業・食品業界では、微生物タンパク質合成技術が「細胞工場」を構築。化学材料業界では、バイオベースプラスチックやバイオベースポリマーが従来の石油化学製品に取って代わり、プラスチック汚染対策に光明をもたらしている。バイオマニュファクチャリングは、二酸化炭素を直接燃料や高付加価値化学品に変え、未来の新たな工業製造工程と技術体系を形成し、製造業の「炭素消費」から「炭素循環」への飛躍を後押しすることもできる。
この産業変革において、中国は独自の優位性を有している。生物発酵生産能力は世界の70%以上を占め、アミノ酸や有機酸などの生産量は世界首位を維持し、巨大な市場規模と完備された工業システムがモデル転換と高度化の強固な土台となっている。
一方で、直面する課題も少なくない。例えば、重要な菌株や酵素の創製に必要なバイオインフォメーションデータベースや設計ツールなどの基盤技術分野には「ボトルネック」リスクが存在し、高度なバイオリアクターや重要部品については自国開発品がなく、他国に依存することなく自国内での調達できる状況になっていない。
バイオマニュファクチャリング産業を大きく発展させるには、トータルチェーンでのブレイクスルーが必要だ。
弱点分野の補強として、バイオテクノロジーとAIの融合イノベーションを推進し、データやソフトウェアなど基盤技術における弱点を補い、独自の知的財産権を有するデータベースおよびソフト・ハードウェア支援システムを構築し、工業環境と工業原料に適応した高性能菌株及び重要酵素の創製を実現する。
供給力の強化として、原料供給システムを再構築し、リグノセルロースや二酸化炭素など原料の利用水準を高め、将来のバイオマニュファクチャリングの大規模化を支える。国レベルのパイロットテスト・プラットフォームの構築を強化し、技術の商業化を加速させる。政策の「ツールボックス」を革新し、産業エコシステムを最適化し、国際的影響力を持つ新製品・新規格を数多く生み出す。(提供/人民網日本語版・編集/NA)











