2025年11月25日、中国メディアの毎日経済新聞は、広東省東莞市で電動路線バス672台のバッテリーに不具合が見つかって大規模な運休が発生したとして、運営会社がメーカーに賠償を求める訴訟が行われていることを報じた。
記事は、電動バス製造の上場企業である龍洲集団が25日夜に公告を発表し、子会社である東岸中汽宏遠汽車(中汽宏遠)が東莞市最大の国有バス会社である東莞巴士とその子会社、東莞市城巴運輸からそれぞれ訴訟を起こされていることを明らかにしたと伝えた。
そして、2件の訴訟について、いずれも中汽宏遠が18年に販売した純電動バス計672台に搭載されていた動力バッテリーが、納車後わずか数年で故障や異常な劣化を起こし、その結果、車両が大規模に運行を停止せざるを得なくなったことに起因すると紹介。東莞巴士は2億500万元(約45億円)、東莞市城巴運輸は2億2600万元(約50億円)の賠償を求めて訴訟を起こしており、2件の賠償請求額は4億3100万元(約95億円)に上るとした。
公告によると、2件の訴訟は現在東莞市第一人民法院で審理されており、一審判決を待っている状況だという。
記事は、問題が生じたバッテリーについて、微宏動力システム(湖州)製のマンガン酸リチウム動力バッテリーで、8年間の保証期間があったと紹介。不具合は納品から3年足らずの21年1月から発生し始め、バッテリーの故障や異常な劣化が見られたと伝えている。
さらに2件の訴訟以外にも、東莞市浜海湾公共交通が19年に購入した電動バス166台で同様の不具合が生じ、同社から訴訟を起こされていると指摘。これまでに中汽宏遠が発売した微宏動力システム(湖州)製バッテリー搭載のバス1196台のうち、実に938台でバッテリーの不具合が起きていたと紹介した。
記事は、龍洲集団が3期連続で純損失を計上しており、直近の今年7~9月期間には赤字が拡大していると紹介。集団はバッテリーを供給した微宏動力システム(湖州)に賠償を求める訴訟の準備をしているものの、巨額の賠償を伴う訴訟を複数抱えていることでますます厳しい経営状況に追いやられていることを伝えた。(編集・翻訳/川尻)











