高市早苗首相の「台湾有事」をめぐる発言後、中国メディアの日本批判が止まらない。共産党機関紙・人民日報系の環球時報は「現在の日本国内の一連の動きから判断すれば、日本が『戦前回帰』状態にという日本の左派系学者が指摘した見方は、もはや争う余地のない事実であり、厳重な警戒が必要だ」と主張した。

中国網が紹介した環球時報の記事は「いわゆる『戦前回帰』とは幾つかの面に見られる」と前置き。第一に「政治的スペクトルの『戦前回帰』と『知中派』の沈黙」を挙げた。

この中では「日本の政治風土と世論の雰囲気は明らかに第2次世界大戦前の様相を呈している」と指摘。「最も顕著な特徴は対中政策において中国を批判し、非難し、さらには悪魔視することが一種の政治的正当性となっていることだ」とした。

続いて「しかも『台湾有事は日本有事』をあおり立てることは日本の政治家が票を集め、憲法改正および軍拡という政治的アジェンダを推し進めるための最も手っ取り早い手段の一つになっている」と論評。「このような雰囲気の下で、日本政界における理性的な声は体系的に封じられ、かつて中日友好を主張していた層が異なる意見を発すればすぐに『媚中』『弱腰』さらには『売国』のレッテルを貼られ、政治的排斥と世論によるリンチに遭う」と述べた。

第二は「歴史問題との関連性」。「日本国内の歴史修正主義はすでに体系的かつ主流のものとなっている」として、「長年にわたる漸進的な歴史修正主義のまん延と助長が日本社会全体の歴史認識に根本的な再構築をもたらした。つまり、対中侵略戦争という歴史的事実を意図的に回避する認識となったのだ」と断じた。

第三は「日本国内で政界・メディア・学界による『三位一体』「の反中構造の形成」。この三つの集団は「現在の日本社会において発言権と権力を握る中核的な支配集団およびエリート層と見なすこともでき、かつ日本の一般人への影響が非常に大きい。彼らは高度な連携と相互作用を通じて、日本国民に対して長期的かつ体系的な影響を与えている」と分析してみせた。

その上で環球時報は「政界が論調を定め、メディアがその声を増幅し、学界が理論的な裏付けを提供する役割を担っている」と言及。「政界・メディア・学界が構築するこのクローズドループは日本社会における『反中思想』の育成と拡大に成功するとともに、現在の中日関係における民意の基盤がこれほどまでに破壊されている理由を根本的に説明している」との見方を示した。(編集/日向)

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