2025年12月11日、香港メディア・香港01に、「なぜどんなに良いドローンを作っても、子どもたちの心の中の『ガンダム』に取って代われないのか」と題した文章が掲載された。
文章は、香港01に先日掲載された「ヤマト号は救世主になるのか」と題した文章の中で、日本のアニメ文化が中国を席巻していることについて「中国製ドローンや模型がこの先もっと売れるようになれば、われわれにはおのずと国力に対する自信を持つことができる。
筆者は、「ドローンや模型が売れれば国力に自信が持てる」というのは「機能主義」的な視点であり、自身は「構造主義」的視点を提供するとした上で、世界をリードする中国産ドローンは「単なるハードウェア」にすぎない一方、ガンダムやウルトラマンといった日本の映像コンテンツは「魂を注入された神話」であり、正義感や格好良さ、成長といった図式を定義するソフトパワーなのだと指摘した。
そして、真の文化的な自信はドローンのようなハードウェアの販売では満たされず、「物語の語り手」にならなければ得られないと論じ、「世界の工場ではなく、世界の『夢工場』にならなければならないのだ」とした。
また、日本の映像コンテンツが持つ「ソフトパワー」の表れとして、そこに潜む政治的な含意についても持論を展開。例として国内外で大きな人気を集める「進撃の巨人」を挙げ、表面的なストーリー構成は必ずしも軍国主義の宣揚には結びつかないものの、記号論的に見ると「世界に包囲された被害者」という心理モデルを示しており、これは「戦時中の加害者の歴史的立場を物語の中で被害者の自衛論理に置き換え、日本の右翼が望む『国家の正常化』と無意識的に共振している可能性がある」というやや乱暴で個人的な解釈を示した。
文章は、中国も単なるハードウェアで世界を席巻しようとするのではなく、アジアひいては世界の人々の思考や定義に影響を与えるような「神話」的なソフトパワーを持つコンテンツづくりに取り組む必要があると結論づけている。(編集・翻訳/川尻)











