2025年12月12日、中国のポータルサイト・捜狐に「『呪術廻戦』の夏油傑と同名?。台湾の大学生バスケットボール選手が話題に」と題した記事が掲載された。

記事は、「以前、『鬼滅の刃』の熱狂的ファンである親が、娘に堕姫(だき)という作中に登場する鬼の名前を付けたことで、ネット上で議論を呼んだ。名前は学校生活や社会に出てからも一生ついて回り、他人がその人を知る最初の窓口でもある。そのため、からかいや誤解を招きやすい名前は、子どもに不要なプレッシャーを与えかねない。親が特定のアニメ作品やキャラクターを好むこと自体は問題ないが、その嗜好(しこう)を理由に、子どもに一生そのキャラクターを背負わせる必要があるかは、慎重に考えるべきだろう。こうした『名前』をめぐる話題が注目を集める中で、最近また別の形で名前が話題になる出来事が起きた」と紹介した。

その上で、「事の発端は、台湾・桃園市にある健行科技大学のバスケットボール部が発表した新入部員紹介である。大学のSNS公式アカウントが1年生の新戦力を紹介したところ、宜蘭県南澳出身の夏友杰(シア・ヨウジエ)選手の名前が人気アニメ『呪術廻戦』に登場するキャラクター・夏油傑(げとうすぐる)の中国語読みとまったく同じだったことで、一気に注目を浴びた。これは先の例とはまったく異なり、純粋な偶然である。なぜなら『呪術廻戦』の連載開始は18年であり、この大学生はそれ以前にすでに生まれているからだ」と説明した。

そして、「名前のおかげもあって、夏選手のプロフィールは公開されるや否や瞬く間に拡散され、大勢のアニメファンがコメント欄に『巡礼』しに押し寄せた。本来は単なる選手紹介だった投稿が、完全にネタで盛り上がる場と化したのである。作中で夏油が『呪霊操術』を使って呪霊を取り込み操ることから、ネット上では『全選手を取り込めば全米プロバスケットボールリーグ(NBA)に行ける』『投げるのはバスケットボールではなく呪霊操術・極ノ番だ』『こんな選手がいれば健行科技大学はもう負けないだろう』といったコメントが相次いだ」とした。

また、「『呪術廻戦』における夏油の魅力は、彼が単純な悪役ではない点にある。彼は崇高な理想を出発点とし、苦悩の末に悲劇的な結末を迎える理想主義者であり、その葛藤から人間の複雑さが描かれている。五条悟(ごじょうさとる)との因縁は、その悲劇性をさらに際立たせ、彼を忘れがたい存在にしている。名前が似ているというだけで、一人の一般のバスケットボール選手が話題になるのは、『呪術廻戦』という作品の影響力の大きさを物語っている」と言及した。

そして、「このような突然のバズり方を『ただの偶然だ』と言う人もいるが、筆者が調べたところ、実はそうでもなかった。今年2月、夏選手が台湾・新北市にある錦和高校でバスケットボール大会の試合に出場していた時点でもすでに一度話題になっていたのだ。その際もネット上では『五条悟の登場が楽しみだ』『さすがに五条も手を下せないか』『この六眼に映る情報はオマエを夏油傑だと言っている。だが俺の魂がそれを否定してんだよ。さっさと答えろ!!。オマエは誰だ!!』などとからかわれていた」と述べた。

その上で、「夏選手本人にとって、この名前による注目は人生の中の小さなエピソードにすぎないだろう。最終的に重要なのは、やはりコート上での活躍である。

一方、『呪術廻戦』のファンにとっては、この偶然が次元を超えた楽しみとなった。好きな作品は、思いもよらない形で現実に入り込んでくるものだ。筆者は、子どもの頃から今まで、たくさんの同級生と出会ってきたが、正直もうほとんどの名前を覚えていない。しかし、大学時代の同級生に一人だけ、絶対に忘れられない人物がいる。彼は香港出身の名優・張国栄(レスリー・チャン)と同じ名前だった」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

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