中国メディアの環球時報は16日、「中国の中小製造業者は自動化の波に乗ろうとしている」とするAFP通信の記事を紹介した。

記事はまず、「中国のある工場の作業場では、ロボットアームが組み立て途中の自律走行車を動かし作業員がカメラを調整していた。

これは、世界の製造大国である中国の小規模工場でも導入されつつある漸進的な自動化の典型だ」と伝えた。

そして、多くの企業にとって最適解は「ハイブリッドアプローチ」だとし、中国で自動配送ロボットの開発を手掛ける新石器(Neolix)のゼネラルマネジャー、劉景瑶(リウ・ジンヤオ)氏の話として「技術的に高度な製造においても人間は依然として重要な役割を果たしている。多くの決定には人間の判断が必要だ。自動化は主に人間を支援するもので、人間に取って代わるものではなく、労働の強度を軽減するものだ」と伝えた。

記事は、上海交通大学の機械工学専門家である倪軍(ニー・ジュン)氏によると、中国はAIの産業応用に重点を置く戦略を取っているため、多くの分野で完全な自動化がすでに実現可能だとし、その例として、テクノロジー大手の小米(シャオミ)が、人間がほとんど介在せずに明かりを消したままロボットが作業する「ダークファクトリー」を運営していることに触れた。

中国の中小製造業者は自動化の波に乗ろうとしている―仏メディア

一方で、大企業と中小企業との間には「デジタル格差」があると指摘。遠東精密印刷の経営者、朱葉鋒(ジュウ・イエフォン)氏の話として「数年前までワークフローの追跡にペンと紙を使用していて、管理者は注文情報を伝達するために工場内を走り回る必要があり、はっきり言って、完全に混乱していた。しかし従業員が二次元コードをスキャンして工場全体のトラッカーに更新情報を送信できるソフトウエアを導入したおかげで、各注文の完了度と個々の従業員の生産性が一目瞭然となった。顧客からさらに大きな注文を受けるために、自動化などより高度な技術への移行を計画しているが、財政的な制約が大きな障壁となっている」と伝えた。

記事は、倪氏の話として「メーカーは今後、技術的な実現可能性、社会的責任、ビジネス上の必要性の間でバランスを取る必要がある」と伝えた。(翻訳・編集/柳川)

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