中国で多くのスーパーが試みながらも失敗に終わったスーパー店内での飲食事業だが、このところ火鍋を切り札にして再挑戦するスーパーが増えている。SNSでリサーチしたところ、盒馬鮮生は全国各地の店舗で火鍋セットが食べられる店内飲食サービスを打ち出しており、価格は78~88元(約1700~1900円)。
永輝によると、セルフ火鍋の店内飲食は店舗の総合的な条件が要求されるため、このサービスを展開しているのは現時点で福建省福州市の複数店舗でのみで、北京エリアの店舗ではまだ対応していない。北京エリアの店舗では、スーパーで販売している惣菜やパン類、小麦粉料理・点心類と、フードコーナーで販売する手軽なメニューや軽食などすぐに食べられる商品を対象にイートインコーナーを店内に設け、使い捨ての食器や無料のお茶なども提供している。また、スーパー内で購入した水餃子やワンタン、魚肉ボール、ステーキ、海鮮といった商品についても、ゆでる、焼く、蒸すなどの調理をスーパー内で代わりにやってくれて、それをイートインコーナーで食べることもできる。
スーパー運営企業にとって、「スーパー内食堂」の試みはそう簡単なことではない。前回のブームの際には、盒馬が新小売モデルのスタート時期に打ち出した「スーパー+店内飲食」モデルが注目を集めた。以前の試みはまだ模倣の段階にとどまっていたともいえるが、今回の「スーパー内食堂」は、産業の変革の中で、既存のスーパーが業態の融合により新たに企業と消費者をつなげようとするものだ。注目されるのは、SNSでは「スーパーで火鍋を食べる」と発信すると、「珍しい」「面白そう」「安心」「片付けなくていいので便利」といったハッシュタグ付きでコメントが寄せられ、そうしたコメントから、このモデルがエモ消費であることが浮かび上がってくることだ。
それだけでなく、スーパー経営企業が昨年以降、「商品を売る」から「体験を売る」へ、「倉庫のような場所」から「生活の場」へとイノベーションの模索を続け、スーパーの提供するサービスの範囲をさらに広げようとしていることも注目される。(提供/人民網日本語版・編集/KS)











