台湾メディア・自由時報は肥満率の少ない日本で糖尿病の患者が多い理由について専門家の解説を紹介した。

記事は、台湾のリハビリテーション科医師・王思恒(ワン・スーヘン)氏が海外の研究結果を引用した上で、一見痩せて健康そうに見える日本の成人における糖尿病有病率が11%と、肥満率の高い欧米諸国とほぼ同水準であると指摘したことを紹介。

また、実は日本人だけではなく台湾人を含む東アジア人全般が糖尿病にかかりやすい遺伝的な特徴を持っていると説明したことを伝えた。

王氏は白人とアジア人の膵臓の機能性に差があるとし、白人の膵臓が「大型トラック」であれば、アジア人の膵臓は「排気量の小さい小型車」であると表現。白人はBMIが30を超えるような深刻な肥満にならないと顕著な膵臓機能低下がみられないのに対し、アジア人はBMIが23を超えた段階で膵臓が弱りはじめ、血糖値のコントロールが困難になる可能性があると解説した。

また、東アジアには見た目は瘦せていても内臓脂肪が多い「隠れ肥満」の人が多いことにも言及。内臓脂肪から放出される炎症物質がインスリンの働きを阻害し、さらに運動不足による筋肉量の不足が「血糖を蓄える倉庫」の欠如を招くため、糖尿病にかかりやすくなると説明した。

そして、アジア人のウエスト周囲径や体重の基準は欧米人よりも厳格に捉える必要性を強調するとともに、四肢が細く腹部が突出している場合は、食事制限と筋力トレーニングを並行して行うことが、か弱い膵臓を守る唯一の解決策との考えを示している。(編集・翻訳/川尻)

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