日中間の空路に激震が走っている。航空便情報サービス「航班管家DAST」の最新統計によると、2026年1月の中国発・日本行き路線の欠航便数は2195便に達し、欠航率は40.4%という異常事態だ。
46路線が運航ゼロに、年末年始に直撃した欠航の嵐
中国の航空データ分析企業「航班管家DAST」が22日に発表したデータは日中航空関係の深刻な変調を浮き彫りにした。1月に予定されていた中国発の訪日路線のうち、実に40.4%に当たる2195便が運休または販売停止となったのだ。
とりわけ深刻なのは、年末年始の繁忙期の12月23日から1月5日までの2週間だ。この期間、成都─大阪、瀋陽─大阪、武漢─大阪、福州─名古屋、上海─岡山、成都─札幌など46路線が全便欠航となり、欠航率は100%に達した。影響を受ける空港は日中双方で計38空港に及び、推定44万人以上の旅行計画が宙に浮いた形だ。
中国航空、東方航空、南方航空、春秋航空、吉祥航空など主要キャリアは相次いで退改政策を発表。12月下旬には払い戻しのピークが訪れ、年末年始の訪日需要が急速にしぼんでいる。
大阪一極集中のツケ、171便削減が示す構造的脆弱性
欠航の地域的特徴を分析すると、日本側では大阪関連路線への集中が顕著だ。関西国際空港向けを中心に関西を目的地とする路線は年末年始2週間で171便が削減され、同期間の欠航便で最多を記録した。成都、瀋陽、重慶、武漢といった中国の地方都市と大阪を結ぶ路線が軒並み運休対象となっており、大阪路線の過剰供給と需要減退のミスマッチが浮き彫りになった。
関西国際空港は1日、12月の関西国際空港発着の中国便が週177便減便され、当初ダイヤの34%減となる見通しを発表していた。これは年末年始の国際線旅客予想にも影を落とし、同社は12月26日から1月4日までの期間の国際線旅客数を73万4800人と予想。前年同期比96%にとどまる規模で、中国便減少の直接的影響が数字に表れている。
一方、中国側の出発地では上海が63便で最多のキャンセル便数を記録したが、岡山、静岡、小松、佐賀、茨城、富山、鹿児島、新潟、長崎、松山、仙台といった日本の地方空港向け路線に分散しているのが特徴だ。成都28便、福州26便、瀋陽24便、西安24便がこれに続く。
訪日需要の急ブレーキ、3.0%成長が映す構造転換
航空路線の大量欠航は中国人訪日客の需要動向と密接に連動している。日本政府観光局(JNTO)が17日に発表した11月の訪日外客統計によると、中国からの訪日客は前年同月比3.0%増の56万2600人にとどまった。これは全体の訪日客伸び率10.4%を大きく下回り、中国市場の急速な減速を示している。
航班管家DASTの民航運行簡報を見ると、11月中旬以降、訪日路線の無料退政策発表を機に、中国発日本行きの便の予約は下降線をたどった。第41週(10月上旬)には週1224便だった日本行きフライト数は、第51週(12月中旬)には852便まで減少。わずか2カ月で30%以上も縮小し、19年同期比の回復率も83%から58.1%へと大幅に低下した。
注目すべきは、12月第2週(第50週)から中国人旅行客の出港先トップ20で韓国が日本を抜いて首位に浮上したことだ。一方、中国旅行客の一部にも旅行行動が訪日から訪韓へとシフトしている可能性もある。
選別される路線、航空会社の経営判断も
航空会社は予約状況と採算性に基づき、路線の優先順位を厳しく選別している。大阪路線は便数が多いため需要変動の影響を受けやすく、回復の遅れが大規模欠航に直結した。吉祥航空は大阪/関西─無錫線、神戸─南京線を相次いで運休し、北京首都航空も札幌/新千歳─北京線を運休するなど、地方路線から撤退の動きが加速している。
航空会社は今後、どの路線を維持し、どの路線を切り捨てるのか。大阪一極集中からの脱却、地方路線の再編、韓国など代替市場へのシフト。日中航空を巡る経営判断はビジネスと観光の流れを大きく左右する。(提供/邦人NAVI-WeChat公式アカウント・編集/耕雲)











