2025年12月30日、台湾メディア・中国時報は、中国人民解放軍が29日から台湾周辺で軍事演習「正義使命-2025」を開始したと報じた。

記事は、解放軍が29日から台湾周辺で2日間の日程で開始した「正義使命-2025」について、複数の海外メディアが米国による大規模な対台湾武器売却や日本の高市早苗首相の「台湾有事」発言といった「外部勢力の干渉」への対抗措置であると一斉に報じたことを伝えた。

まず、11月7日の高市首相による「台湾有事」に関する国会答弁が中国の神経を逆なでしたことに触れ、日本メディアが今回の演習について高市首相の言論をけん制し、圧力をかける狙いがあるとの見方を示したことを紹介した。

次に、米CNNや英ロイターが今回の演習について約3500億台湾ドル(約1兆7000億円)に上る米国の武器売却発表から11日後というタイミングで行われた点に注目し、大規模演習によって不満を示す中国の常とう手段と分析したほか、AP通信も米国、日本それぞれに対する不満の表れと評したことを伝えた。

さらに、韓国の朝鮮日報は、中国が台湾への軍事的な圧力を強化、頻繁化させて日米の介入を抑止する手法を取っており、今回の演習も直接の上陸作戦ではなく、台湾を「封鎖し孤立させる」動きの習熟化を図ったものと分析したことを紹介した。

記事はこのほか、中国が第2次トランプ政権における初の大型演習に対する米国の反応を慎重にうかがっているという英紙ガーディアンの見解や、中国が演習を繰り返して日常の一部にすることで、米国やその同盟国による「訓練か本番の攻撃か」の判別を困難にさせ、初動を遅らせる狙いがあるという専門家の意見を紹介するロイターの報道を伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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