2025年12月29日、シンガポール華字メディアの聯合早報は、南京博物院所蔵絵画の流出疑惑の調査結果がいまだ当局から発表されない中、江西省博物館の展示品に贋作(がんさく)疑惑が浮上し、同館が公式声明でこれを否定したと伝えた。
記事によると、贋作疑惑が浮上したのは、故宮博物院が所蔵する北宋時代の書家・米芾(べいふつ)の「行書三札巻」だ。
冷氏は、展示中の他の作品と比べて側面からの照明がなかったことや、故宮博物院の公式ホームページ上の画像と比較すると一部の文字の濃淡が異なっていると指摘した。これを受け、江西省博物館は28日、SNS・微博(ウェイボー)の公式アカウントを通じて、「国家の関連規定に沿って組織的に展示会を運営している。展示中の米芾『行書三札巻』は本物であり、印刷物などではない」とする公式声明を発表した。
記事は、南京博物院所蔵絵画の流出疑惑の調査結果がまだ発表されていない中で、「中国国家文物局の調査開始と同時期に臨時閉館した博物館がある」とのうわさがインターネット上で流れていることにも言及した。特にうわさの対象となっている福建省福鼎市博物館、内モンゴル河套文物博物院、北京金石博物館についてはいずれも閉館理由を「一部施設や設備の改修工事のため」と説明しているという。
北京師範大学政府管理研究院の唐任伍(タン・レンウー)院長は、「南京博物院所蔵品の流出疑惑が今後立件されるかは不明だが、この一件は全国の博物館にとって良い警鐘となった。社会全体が文物の管理や保護の問題をより重視し、注目するようになった。南京の調査結果は間もなく明らかになるだろう。結果がどうであれ、当局は国民に対し、汚職に関わる事件だったのかどうかを明確に示すべきだ」と述べた。(翻訳・編集/原邦之)











