2025年12月30日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、パナマ運河の入り口にあった中国人関連の記念碑が撤去されたことについて、中国政府が抗議したことを報じた。
記事によると、仏AFPの報道として、パナマ運河周辺に存在する中国的要素の排除を求めて米国が強い圧力をかける中、パナマ・アライハン市の市長が27日、パナマ運河の入り口に04年に設置された中国人労働者の貢献を記念する牌坊、2頭の獅子像、記念碑を「構造的な損傷があり危険」という理由で強制的に解体する指示を出したと伝えた。
そして、中国外交部の報道官が29日にSNS「X」で、記念碑が19世紀に海を渡り大陸横断鉄道やパナマ運河の建設に従事した中国人労働者の多大な貢献、犠牲を象徴するものだとした上で、その強制撤去について「中国・パナマ両国の長い友好の証が破壊された」と非難したことを紹介。パナマ在住の中国系住民約30万人にとって「暗黒の日」という在パナマ中国大使のコメントを伝えるとともに、中国側がパナマ政府に対して徹底した調査と誤った行為の是正、負の影響の速やかな補填(ほてん)を要求したと報じた。
また、パナマのホセ・ラウル・ムリーノ大統領も中国政府が反応する前の28日に、今回の撤去指示を「許しがたい野蛮で非合理な行為」と批判し、元の場所への即時再建を命じたと伝えた。
記事は騒動の背景として、トランプ米大統領がパナマ運河について香港企業の和記黄埔(ハチソン・ワンポア)が港湾ターミナルを運営していることから「中国の支配下にある」と主張し、戦略的要衝である同運河の制圧権を取り戻すと脅しをかけている状況に言及。圧力を受けて同社が米国企業のブラックロックにターミナルを売却することに同意したものの、中国側が取引に反対しており、中国企業が二つの新たな港湾施設への参加に興味を示していると解説した。(編集・翻訳/川尻)











