シンガポールメディア・聯合早報は中国の地方政府で企業と結託した輸出データの水増しが横行していると報じた。

記事は、中国の25年1~11月の貿易黒字が過去最高を更新する中、貿易会社がペーパーカンパニーを設立し、通関業者から輸出データを購入することで、地方政府からは輸出貨物1ドル(約155円)分につき0.03元(約0.6円)程度の奨励金を不正に取得する事案が頻発している実態を中国メディアが暴いたことを紹介した。

そして、貿易実務担当者が詐欺罪で起訴される事例が多発し、中には立件額が1億元(約22億円)を超えるケースもあると指摘する一方、当事者の企業や関係者の家族、弁護士からは「政府の成績づくりに協力した結果であり、当局はトラブルの際に調整役まで務めるなど良好な協力関係にあった」という証言が多く聞かれると伝えた。

その上で、安徽金亜太法律事務所の王亜林(ワン・ヤーリン)主任が、22年以降にこの手の輸出書類売買が詐欺罪として相次いで立件されている状況を指摘し、実際には商務部門が捏造を奨励・関与し、関連部署が「青信号」を出して補助金獲得を可能にしていながら、後になって企業の単独犯行として司法追及していたとして、その不当性を批判したことを紹介した。

記事はさらに、香頌資本(シャンソン・キャピタル)の沈萌(シェン・モン)執行董事の分析として、地方政府には経済目標達成のプレッシャーがかかっており、虚偽の貿易データもGDPに計上できるため、現在の経済環境下では特に地方当局がこうした行為を「見て見ぬふり」をしている可能性が高いと伝えた。また、こうした行為は中央政府の財政負担を増大させ、マクロ統計の信頼性を失墜させるだけでなく、国際的な「貿易不均衡」批判を招く要因になると指摘したことも報じた。(編集・翻訳/川尻)

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