日本の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の徳野英治元会長が2021年10月の衆院選について、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁に対し、「自民党の国会議員290人を応援」などと報告していた、と韓国紙が昨年末に報じ、波紋を広げている。報告には高市早苗首相も32回登場。
左派系のハンギョレ新聞によると、「TM(True Mother、真の母)特別報告(TM報告書)」と題する文書は18~22年の間に作成。徳野元会長は222回に及ぶ報告書で、衆参両院選や自民党総裁選の動向分析とともに「統一教会が推す」候補に数万票を集める、いわゆる「選挙応援」状況を詳細に報告していた。徳野元会長は21年12月の衆院選後には「応援した国会議員の総数は自民党だけで290人に達する」と得意げに伝えていた。
TM報告書には安倍晋三首相(当時)との面会も記載されていた。参議院選を約3週間後に控えた19年7月2日、安倍首相と旧統一教会の幹部らが20分面談。安倍氏との面談は「今回で計6回目」とし、徳野元会長は「安倍首相が推薦する北村経夫議員(山口選挙区)をわれわれ団体がどこまで応援するか、決意を聞きたかったのは明らかだった」と述べ、安倍首相との面談の目的は「選挙応援」であったと報告した。
徳野元会長は同席した自民党の萩生田光一幹事長代行(当時)にエルメスのネクタイを贈呈。元会長は「安倍首相は大変喜んだ。たった一本のネクタイだったが、効果的だった。真のお母様(韓総裁)への感謝の気持ちを贈り物を通じて感じたと思う」と強調した。
旧統一教会の組織票を基盤に当選した北村議員は東京都渋谷区の旧統一教会の拠点である「松濤本部」を自ら訪問。
TM報告書は安倍氏銃撃事件で殺人罪になどに問われた山上徹也被告にも言及。奈良教区長のキム氏は事件直後の22年7月10日の報告で「犯人が大和郡山家庭教会の所属となっていたため、本部会長の指示で会員記録を削除した」と記していた。旧統一教会はこれまで山上被告は「信者ではない」としていた。
TM文書には高市早苗現首相の名前も32回登場する。徳野元会長は高市氏が21年9月に初めて自民党総裁選に出馬した当時、「高市氏は安倍元首相が強く推薦している」として、「われわれと親密な関係がある。岸田文雄氏や高市氏が総裁に選ばれることが天の望みだと思われる」と報告した。ただ、文書には奈良県出身の高市氏を神奈川県出身とする誤りもある。
ハンギョレ新聞は「文書には日本の政界と旧統一教会が密接に癒着していた状況が露骨に表れている」と指摘。「安倍元首相ら日本の保守政界と代々続く『縁』があった旧統一教会は自民党候補に組織票を集め、実際に当選者輩出に貢献した。旧統一教会が日本政界と結んだ『ギブアンドテイク』モデルを韓国政界にも適用しようとした情況も明らかになった」との見方を示した。(編集/日向)











