米国のトランプ政権は新年早々、南米のベネズエラを攻撃してマドゥロ大統領夫妻を拘束し麻薬密輸などの罪で裁判にかけるとして、ニューヨークに連行した。強硬策には米国内でも野党民主党を中心に疑問視する声が上がる。

東アジア諸国の反応はさまざまで中国や北朝鮮は強く反発。韓国は評価を避け、台湾は協力ムードだ。

中国国営新華社通信によると、外交部は4日、「米国の行為は明らかに国際法などに違反している」と深刻な懸念を示す報道官談話を発表。米国にマドゥロ大統領夫妻の即時解放を求めるとともに、「ベネズエラの政権転覆を停止し、対話と交渉を通じて問題を解決するよう呼び掛ける」とした。

その一方で中国ネットには大統領拘束を歓迎する書き込みもあった。米フルームバーグ通信によると、あるネットユーザーが「今後、台湾を取り戻すのにも同じ方法を使おう」と提案。別のネットユーザーは「米国帝国主義者らがマドゥロとその妻を逮捕するためベネズエラを襲撃したのは中国軍が台湾を奇襲し、台湾独立論者である頼清徳総統を逮捕する完璧な青写真を提供する」と主張した。

韓国・聯合ニュースによると、外務省報道官は4日、「ベネズエラ国民の意思が尊重される中で民主主義を回復し、対話を通じて状況が早期に安定するよう望む」とする声明を発表した。声明は「地域の緊張緩和のため、あらゆる当事者が最大限の努力を傾けるよう求める」としたが、日本政府と同じように攻撃に対する評価は明確にしていない。

主要紙の中央日報は社説で「世界情勢がどの方向に流れるのか、不確実性が高まった」と論評。「こうした状況であるほど綿密に情勢に注目し、先を見通す知恵を発揮しなければいけない」として、「李在明(イ・ジェミョン)大統領の国際情勢に対する冷徹な現実認識がいつよりも必要な時だ」と訴えた。

北朝鮮の朝鮮中央通信によると、外務省報道官は談話を発表。

「米国の行為は明らかに国際法と国際関係の基本的なルールに違反で国連憲章の目的と原則に反している」と非難し、「深刻な懸念」を表明した。

北朝鮮が核攻撃を行う兆候を察知すれば、韓国軍は直ちに北朝鮮に侵入して最高指導者の金正恩氏や朝鮮労働党幹部、朝鮮人民軍指導部らを排除する「斬首作戦」を計画している。在韓米軍も特殊部隊が斬首作戦を想定した訓練を行っており、危機感を強めたとみられる。

台湾・中央通信社によると、外交部(外務省)は5日、米国のベネズエラ攻撃を受けて「台湾は米国を含む自由で民主的な友好国との協力を続ける」とだけコメントし、対米批判は避けた。中国の脅威に対抗する上で後ろ盾となっている米国に配慮した形だ。

国防部(国防省に相当)系シンクタンク「国防安全研究院」の蘇紫雲氏は米国が今回、マドゥロ氏の居場所特定など正確な情報能力を発揮したとし、「情報が米国の最も重要な戦略的資源であることを示した」と語った。(編集/日向)

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