2026年1月13日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、米ワシントンで開催された先進7カ国(G7)財務相会合におけるレアアース価格保証の議論をめぐり、ドイツメディアが報じた反応についてまとめて紹介した。

記事はまず、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)が「欧州は原材料争奪戦の得難い機会をつかむべきだ」と題する論評の中で、今回の会合を対中依存低減の好機と捉えたことを紹介。

記事によると、FAZ紙は中国が過去数十年にわたりレアアースおよび技術系金属分野で支配的地位を築き、これらを地政学的な武器として利用する能力を持っていると指摘した。

また、自国第一主義を掲げて自国の利益を最優先させる米トランプ政権の主導で開いたG7の枠組みによる議論に参加することは、トランプ大統領の単独行動主義に対する懸念が残りつつも、ドイツにとって上策だと論じている。

FAZ紙はさらに、真の課題は鉱石の採掘ではなく、環境負荷が高く複雑な「精製・加工」プロセスにあると分析。中国が重希土類の精製能力の90%以上を握り、必要に応じてダンピングを行い競合を排除してきた経緯に触れ、市場原理だけでは対抗できないと警鐘を鳴らした。

そして、10年に中国から供給停止措置を受けた日本が、その後独自の戦略で生存を図り、現在ではドイツよりも余裕を持って対応している事例を紹介。民間投資を呼び込むためには、今回の会合でも提起された政府による「最低価格保証」が不可欠であり、これによって中国の価格操作を無効化できると主張した。また、南米南部共同市場(メルコスール)との協定によってブラジルなどの資源へアクセスする道が開かれたことも好機であると伝えた。

記事は一方で、南ドイツ新聞(SZ)は米中の狭間でドイツが抱えるジレンマを強調したことを指摘。記事によるとSZ紙は、ドイツが米国主導の「反中同盟」に加担すれば、中国がレアアース輸出を全面的に停止し、ドイツ産業界に壊滅的な打撃を与えるリスクがある一方、米国からの招待を拒絶することも地政学的に不可能であると伝えた。

その上で、ドイツのクリングベイル副首相兼財務相は今回の会合にあたって高リスクなバランス外交を強いられたと伝え、各国の財務相との夕食会後に「他国と連携して第三国を標的にすることはない」と強調し、反中同盟への参加を婉曲に拒否したと紹介。デュースブルク・エッセン大学の中国専門家マルクス・タウベ氏が、ドイツは「米国と共に強硬路線をとる」か「中国に友好的な路線をとる」かの二者択一を迫られており、短期的には解決策のない難題に直面していると報じた。(編集・翻訳/川尻)

編集部おすすめ