中国の物流業界では競争の激化を背景に、企業の買収や再編が相次いでいます。こうした中、宅配・物流大手の徳邦物流が、上海証券取引所におけるA株上場を自主的に撤回する方針を示しました。

業界関係者の間では、同社の筆頭株主である京東物流との同業競争を解消することが主な目的とみられています。

京東物流は1月13日、香港証券取引所に公告を提出し、子会社を通じて徳邦を間接的に支配する宿遷京東卓風が上場廃止を提案し、徳邦の取締役会がこれを承認したと発表しました。今後は株主総会での決議を経て、正式に上場廃止手続きが進められる見通しです。

今回の計画では、京東卓風が株主の承認を得た後、1株19元(約430円)で一般株主が保有する徳邦株を現金で買い取る選択権を提示します。徳邦は上海市場からの上場廃止が認められた後、全国中小企業股份転譲系統、いわゆる新三板の退市板での取引継続を申請する方針です。

市場はこの動きを好感し、取引再開後の徳邦株は一時ストップ高となるなど、株価は大きく上昇しました。徳邦側は、今回の自主的な上場廃止は、京東物流が2022年に徳邦を買収した際に約束した「5年以内に同業競争を解消する」との承諾を履行するための重要な措置だと説明しています。

業界関係者からは、上場を維持することによる実質的なメリットは限定的であり、非上場化によって京東グループの物流ネットワークやIT資源を全面的に活用できるようになるとの見方が出ています。短期的な業績圧力や情報開示の制約から解放されることで、徳邦は主力事業の高度化と競争力強化を加速させる狙いです。公告では、上場廃止後も資産や人員、事業運営に重大な影響はなく、ブランドと経営の独立性は維持されるとしています。(提供/CRI)

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