2026年1月28日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは米国のトランプ政権が中国への先端半導体輸出を条件付きで承認したことに対するドイツメディアの報道を伝えた。
記事は、米国政府が長年にわたり、高性能チップが中国軍の能力増強や人工知能(AI)分野における自国の優位性喪失につながることを危惧してきたと紹介。
その上で、独有力紙フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)が「トランプ政権下では、米国の国家安全保障さえも金銭で売買可能な取引材料に成り下がったのか」と鋭い疑問を投げかけているとし、その論調を紹介した。
FAZはまず、トランプ大統領の「心変わり」の背景について、貿易を通じて中国を国際秩序に組み込もうとする「関与政策」が過去のものになったことがあると分析。この認識転換はトランプ大統領の第1期政権からすでに始まり、バイデン政権下でも戦略的に拡張されるなど、対中強硬姿勢は米国内で数少ない超党派の合意事項だったと伝えた。
一方で、第2期トランプ政権の関心は対中圧力以上に「貿易赤字」の解消に集中していることに言及。第1期では香港の人権法案への署名やウイグル問題での弾圧非難など、人権や価値観に基づく中国のみをターゲットとしたアクションが見られたのに対し、現在は日本や韓国などの同盟国に対しても安全保障の対価として金銭的負担を強く求める傾向にあると論じた。
FAZはその上で、25年12月に110億ドル(約1兆6800億円)規模の対台湾武器売却計画を発表したトランプ大統領が中国に対する抑止シグナルを完全に放棄したわけではないとも指摘しつつ、その動きが核心技術を切り売りするような「戦略的整合性を欠いた実利主義」へと変貌を遂げつつある現状を強調した。そして、この中国に対する「矛盾したシグナル」が国際社会に新たな波紋を広げていると伝えた。(編集・翻訳/川尻)











