日本の人気アニメ「名探偵コナン」と「僕のヒーローアカデミア(ヒロアカ)」のコラボレーションが中国で炎上している問題で、中国メディアの極目新聞が1日、論評文を掲載した。

騒動の発端となったのは、「名探偵コナン」のテレビアニメ放送30周年と「僕のヒーローアカデミア」のテレビアニメ放送10周年を記念したスペシャルコラボで、公開されたPVの中で「名探偵コナン」の原作者・青山剛昌氏が描いた「ヒロアカ」の主人公・緑谷出久と、「ヒロアカ」の原作者・堀越耕平氏が描いた「コナン」の主人公・江戸川コナンのイラストが発表された。

ところが、「ヒロアカ」は中国国内で「中国を侮辱した作品」として批判の対象になっていることから、今回のコラボによって中国で絶大な人気を誇る「コナン」に批判の矛先が向いた。「ヒロアカ」は過去に登場した「志賀丸太(しが・まるた)」というキャラクターが、旧日本軍「731部隊」が被験者を「マルタ」と呼んだことを連想させるなどとして中国で炎上。それ以降、同作のコスプレをした人がたびたび襲撃されるなど、中国国内では「問題作」という扱いになっている。

今回のコラボが炎上したことを受け、中国の版権代理会社である上海新創華文化発展有限公司は1月31日、「コラボ企画は日本側の版権元が主導したもので、作品同士の友好交流を目的としたものであり、いかなる立場上の意味合いも含まれていない」などと説明した。

極目新聞の論評文は「ヒロアカ」について「悪名高い中国侮辱漫画」と指弾する一方、「コナン」については「中国で非常に多くのファンを抱えており、劇場版も必ず大きな話題を呼んできた」と言及。「そのような高い人気を誇るアニメがすでに中国侮辱と認定された作品とコラボしたことは、中国の視聴者にとって二重の傷害となった。中国人民の歴史的な痛みと民族感情を軽視しただけでなく、この作品に強い思い入れを抱いてきた無数の読者が冒涜され、背後から刺されたようなショックを感じさせた」と主張した。

また、上海新創華文化発展有限公司の説明についても「火に油だった」とし、「『作品間の友好交流に過ぎない』という説明はまるで検証に耐えうるものではない。版権元も、代理会社も、自らが配給する地域の受け手に対して責任を負うべきだ。代理会社は中国市場で継続的に利益を得ているにもかかわらず、なぜ企画段階で日本側に対して何の異議や警告も出さなかったのか」と指摘。さらに「事後になって事態の深刻さを薄めようとするぞんざいな責任転嫁は、商業的利益を民族感情や歴史的正義よりも上位に置いてよいという、甘い期待に基づくものだ」と批判した。

論評文は、「中国侮辱作品」とコラボすること自体がすでに一種の立場の表明であると主張。

「その言い訳は、重い歴史の真実、悲痛な歴史的苦難、そして押し寄せる民意の疑問を前にしては極めて空虚であり、とてもごまかしきれるものではない」とし、「中国の読者の感情を完全に無視し、中国の民衆の感情を踏みにじった。そうであるならば、彼らが言うところの『友好交流』は完全に空虚な言葉に過ぎない。中国市場で金を稼ごうとしながら、中国人に対する最低限の尊重すら持たないなど、この世にそんな道理は存在しない」と強弁した。

そして、「『真実はいつもひとつ』と叫びながら歴史の真実には背を向け、見て見ぬふりをするのは、中国の観客への軽視であるだけでなく、作品自身の核心からの逸脱でもある」とも主張。「コナンは万年小学生であっても構わないが、中国の民族的尊厳や一線に関わる問題においては子どもだましの対応をすべきでない」とし、「歴史に正面から向き合い、誤りを認め、真摯に謝罪し、速やかに是正することこそが責任を負う正しい道であり、友好交流への第一歩となり得るのである」と結んだ。

中国のネットユーザーからは「封殺を支持する」「コナンは好きだけど、原則的な問題に挑戦することは許されない」「ボイコットだ。もう見ない」「全面的に撤去せよ。ピカチュウもコナンも」「単なる一漫画のくせに政治に近付こうとするとは」「コナンは私の心の中ではこれにて終了。ファンをやめる」「コナンの28年来のファンである自分としては確かに傷付けられた」「中国市場を失ったな」「激しいボイコット活動になるのが楽しみだ」「今後は二次元を厳しく管理すべき」など、批判的なコメントが殺到している。(翻訳・編集/北田)

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