中国メディアの環球時報は4日、中国の電気自動車(EV)が中央アジアを席巻するようになった経緯について分析したアゼルバイジャンメディア、カスピアンポストの記事を紹介した。
記事はまず、ウズベキスタンのタシケントの自動車販売店からカザフスタンのアルマトイで拡大を続けるフリート(企業や団体が所有する複数の車両)に至るまで、最も目にするEVは欧米製ではなく手頃な価格、耐久性、多様な道路や気候条件への適応性を重視して設計された中国製だと指摘。
そして、中国製EVが優位に立つ理由として、「中央アジアにおける中国製EVの台頭は、ブランド力の勝利ではなく、事業運営上の優位性の融合として理解するのが最も適切だ。価格、サプライチェーンの能力、政策の整合性という三つの相互に関連する要因がその結果の大部分を説明している」と伝えた。
記事は、中国のEVメーカーについて「世界でも有数の競争の激しい自動車市場で事業を展開している。激しい国内競争は急速なイノベーションと積極的なコスト管理を促し、先進的な機能と相対的に低価格帯の車両を生み出している。最新のインフォテインメントシステムや運転支援技術、競争力のあるバッテリー容量を備えたEVを、欧米の競合製品を大幅に下回る価格で中央アジアの消費者に提供している」と伝えた。
そして「重要なのは、多くの中国製モデルが地域の状況によく適合していることだ」とし、それらのモデルは、最低地上高の高さや堅牢なサスペンションシステム、極端な気温変化に合わせて最適化されたバッテリーマネジメントにより中央アジアの多様な地形と気候に適応可能で、ウズベキスタンなどの中央アジア市場におけるEVの平均輸入価格は大幅に低下し、早期導入層だけでなく一般消費者にもEVへのアクセスが広がり、大衆市場におけるEV化が実現可能となったと伝えた。
記事によると、中央アジア市場は、輸送の混乱や通貨の変動、供給状況に特に敏感だ。中国の自動車メーカーは、バッテリーやパワーエレクトロニクス、ソフトウエア、車両部品を網羅する深層的で柔軟なサプライチェーンの恩恵により、状況の変化があっても安定した輸出量を維持することができる。
記事は、中国が25年に世界に数百万台の自動車を輸出し、うちバッテリー式電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)など「新エネルギー車」の割合が増加していることに触れ、「この規模が重要だ」と指摘。ウズベキスタンのような市場で需要が急増した際に成功するメーカーとは、迅速な車両の納入や部品とマーケティングでの販売店支援、短いサイクルでの製品ラインの刷新が可能な企業だとし、「中国企業はまさにこの能力を発揮してきた」と伝えた。
記事によると、中央アジアにおけるEVインセンティブ制度は、プレミアム性よりも手頃な価格を優先する傾向がある。関税免除や減税、輸入手続きの簡素化は、特定の技術やブランドを優遇するのではなく初期費用を削減する。こうした枠組みは、幅広い価格帯で最新の車両をそろえる中国メーカーの強みと一致している。その結果、インセンティブが需要を刺激し、中国のサプライヤーが効率的に需要を満たし、その市場シェアがさらに拡大するというサイクルが生まれる。中国のEVの優位性は、中央アジアにおけるより広範な経済とインフラの動向を反映している。充電インフラやフリートの普及、22年以降の貿易再編などのすべてが重要な役割を果たしている。
また、ユーラシア大陸全体の貿易パターンが22年以降により複雑化したことにも触れ、「西側諸国の一部の供給チャンネルは価格が上昇したり、アクセスが困難になったりした一方で、中国の輸出は拡大している。これにより、中国は自動車だけでなく、金融オプションやスペアパーツ、長期的なパートナーシップも提供し、供給者としての役割を強化している」と伝えた。
記事によると、EVはハードウエアとソフトウエアが高度に統合されたシステムで、中央アジア市場では中国製プラットフォームの標準化に伴い、関連する充電規格や診断ツール、アフターサービス体制も導入され、路上を走る中国製EVが増えるほど、次のEVの購入や整備、運用が容易になりコストも削減されるという「経路依存性」が生み出される。
結論として、「中国製EVが中央アジアで圧倒的なシェアを占めているのは、明確な経済的根拠、すなわち競争力のある価格設定や強靭(きょうじん)なサプライチェーン、地域政策の優先課題との整合性によるものだ。











