「ポケットモンスター(ポケモン)」と「名探偵コナン」。日本を代表するアニメキャラクターが中国でやり玉に挙がっている。

背景にあるのは日本軍国主義復活への警戒感。共産党系紙は「日本国内の一部に存在する誤った歴史観がアニメやゲームなどを通じて、より隠れた形で浸透しようとしている」と主張した。

「ポケモン」と「コナン」を問題視したのは、共産党機関紙・人民日報系の環球時報。発端となったのは「ポケモンカードゲーム トレーナーズウェブサイト」に掲載されたイベント情報で、1月31日に東京・九段の靖国神社内でキッズ向けのポケモンカード体験イベントを行うとが告知されていたことだった。

株式会社ポケモンによる公式イベントではなかったものの、記事は「ポケモンよ、謝罪せよ!」と題し、「靖国神社は日本の軍国主義による対外侵略拡張の精神的象徴であり、中国人民を含むアジアの人々にとっての集団的な歴史の傷痕。このような場所で子ども向けのイベントを開催するとは、その意図は極めて悪質と言わざるを得ない」と非難した。

さらに「ポケモンが靖国神社というレッドラインを踏んだのは今回が初めてではない」と指摘。2016年にリリースされた「ポケモン GO」で、ゲーム内の重要拠点となる「ジム」や「ポケストップ」を靖国神社の敷地内に設定したことで中国のプレーヤーから批判の声が殺到したことを紹介した。

「コナン」が糾弾されたのは、中国を侮辱する意図があったとの誤解が広がっていた人気漫画「僕のヒーローアカデミア」とのコラボ企画がきっかけだった。中国でのコナンのIP(知的財産)管理会社が釈明する声明を出す事態となり、環球時報が取り上げた。

僕のヒーローアカデミアをめぐっては、登場人物の名前が日中戦争中に細菌兵器を開発した旧日本軍の関東軍防疫給水部(731部隊)を想起させるとして20年に中国ネットで批判が起きていた。

環球時報は「日本の政治家による台湾関連の誤った発言がきっかけで中日関係が緊張する背景を考えると、中国の観客が『コナン』の行動を歴史問題と結びつけて考えるのは、現実的な根拠に基づく合理的な反応だ」と言及。

「最近では一部の日本の作品が虚構の世界で戦争を描き直し、戦争犯罪者を英雄化や娯楽化する傾向が強まっている」と続けた。

その上で「このようなアプローチは若者が娯楽に没頭する中、知らぬ間に歴史の真実を曖昧にし、重大な歴史問題に対する判断力や畏敬の念を弱める可能性がある」と強調。「関係者は事件の裏側が反映するこの深刻な社会的かつ根源的な問題により注目すべきであり、中日両国の未来関係の基盤である青少年への軍国主義の侵食を許してはならない」と訴えた。(編集/日向)

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