中国では南京や長沙など「二線都市」と呼ばれる中堅都市が高‌級ブランドにとって販売活動の最前線となりつつある、とロイター通信が伝えた。生活コストの低い街に住んで高い生活水準を維持しようとする中間層の消費者が増え、高級品への出費が顕著に伸びているためだ。

ロイター通信によると、南京や長沙など20以上の中堅都市における高級品消費額が北京や上海といった「一線都市」を上回る状‌況を受けて、英高級ブランドのバーバリーやルイ・ヴィトンなどを傘下に持つモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)は、こうした中堅都市での販売に力を入れ、中国の高級品市場の回復基調を示す売り上げ示している。

高級品消費で世界の約4 分の1を占める中国では新型コロナのパンデミック(世界的大流行)後のブーム終息では販売が低迷。経済成長の鈍化と不動産セクター危機の余波が一般消費者に影‌響を及ぼしている。

そんな中、バーバリーは中国の「Z世代」(1990年代半ばから2010年代前半に生まれた世代)向けの販売が好調で年末商戦の販売が市場予想を上回ったと発表。LVMHも1月末、 中国での売り上げ回復が業績を押し上げたとする四半期決算を発表した。

注目すべきはルイ・ヴィトンが昨年8月に中国で美容ライン「ラ・ボーテ ルイ・ヴィトン」の販売を開始した際、アイシャドウやリップバーム、1200元(約2万6000円)の口紅を一線都市ではなく南京(人口約950万人)にある商業施設「南京徳基広場」で先行販売したことだ。

最近、発表されたデータで、南京徳基広場が長年トップだった北京の「北京SKP」を抜き、中国で最も業績の良い高級ショッピングセンターとなったことが判明した。南京徳基広場の24年の売り上げは245億元以上だったのに対し、北京SKPは222億元だったと国営メディアが報じた。アナリストによれば、25年も南京徳基広場が首位を維持した可能性が高いという。

南京のような二線都市では生活費の安さを求めて北京や上海といった一線都市から来た中産階級が増えており、高級ブランドにとって重要度が増している。調査会社MDRiの調査によると、二線都市の高級品購入者は24年、平均25万3800元を消費。前年比22%増で、消費額が4%減の25万200元だった一線都市の消費者を上回った。

ロイター通信は「長沙国金中心(IFS)や武漢武商、杭州In77など他の二線都市の商業施設も高級品売り上げランキングで順位を上げている」と報道。専門家の「人口動態や経済の変化に加え、二線都市のトップの商業施設はラインアップを大幅に改善し、近隣の消費者が上海や北京まで行かなくてもブランド品を購入できるようになった」との見方を紹介した。(編集/日向)

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