2026年2月15日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、ドイツ経済が中国との激しい産業競争期に突入し、かつての補完関係が崩壊して構造的な課題に直面していることを報じた。
記事は、米シンクタンクのロディウム・グループが発表した最新の調査報告を引用し、独中経済の現状を分析。
また、25年のドイツの対中輸出が前年比9.3%減少する一方、対中貿易赤字が過去最高の約890億ユーロ(約16兆円)に達した事実を提示。ドイツ経済研究所(IW)の分析によると、対中輸出に依存するドイツ国内の雇用も21年比で約40%急減しており、わずか数年で40万人以上の職が失われたと報じている。
その上で、ドイツ機械工業連盟(VDMA)の専門家が、長年懸念されていた「中国ショック」が本格的に到来したと明言したことに触れ、レーザー加工大手の4JET社など、これまで中国市場で高いシェアを誇っていたドイツ企業が、ハイテク分野で台頭する中国勢の猛烈な追い上げによって苦境に立たされている実態を詳しく伝えた。
記事は、中国政府による巨額の国家補助金や人民元安の誘導、不透明な貿易障壁といった不公平な手段が、市場の競争環境を著しく歪めていると指摘。さらに、中国側がドイツ企業に対して輸出ではなく現地生産や現地調達を強く迫っていることが、結果として「メイド・イン・ジャーマニー」の国際的な優位性を削ぐ要因になっていると分析した。
このほか、中国によるレアアースの輸出制限や半導体供給の不透明化を受け、ドイツ産業界ではサプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)性に対する危機感が一段と増大していると紹介。経済的な「脱リスク」を求める声が官民双方で高まっており、特定の供給網への過度な依存から脱却するための抜本的な見直しが急務であると論じた。
記事は最後に、ドイツ政府が従来の「秩序自由主義」に基づく自由放任的なアプローチを改め、政府主導で強力な産業・技術政策を策定すべきであると提言。メルツ首相が過剰生産のリスクを認識し、貿易障壁やサイバーセキュリティ強化の必要性に言及したことに触れつつ、より不安定な時代において産業界と協調した長期的な戦略が不可欠だと論じた。(編集・翻訳/川尻)











