独メディアのドイチェ・ヴェレ(中国語版)は15日、東南アジアの多くの国で死刑が減少傾向にあると伝えた。
記事によると、東南アジア11カ国のうち8カ国で今なお死刑があり、法律上廃止しているのはカンボジア、フィリピン、東ティモールの3カ国だけ。
ベトナムは2025年、8つの罪について死刑を廃止することを決定し、死刑が適用される罪は18から10へと減少した。すでに下された死刑判決も無期懲役に減刑することが可能になった。この改革は、汚職や身柄引き渡し案件での国際協力を推進するためとみられているが、死刑判決や執行に関するデータは依然として国家機密とされている。
マレーシアは23年に強制的死刑を廃止、25年11月には死刑の全面廃止を検討する政策審査作業部会の設置を発表し、26年に始動する予定。インドネシアは過去9年間死刑執行がなく、今年1月施行の新たな刑法では死刑を「特別かつ最終手段の刑罰」と位置付け、10年間の執行猶予を設けた上で、服役態度が良好であれば無期懲役に減刑できると定めている。
タイ政府は2024年末、国家人権委員会の死刑廃止提案を拒否した。ただ、タイでの最後の死刑執行は18年のことになる。
一方、この流れに唯一反しているのがシンガポールだ。同国のジャーナリストで著名な反死刑活動家のカーステン・ハン氏は「シンガポールは死刑の適用を積極的に強化し、驚くべきスピードで執行している」と語った。同氏によると、同国では今年に入ってすでに3件の死刑が執行されている。昨年は計17件が執行され、03年以来最多となった。
25年12月、シンガポール最高裁判所は一部の麻薬犯罪に対する強制的死刑を違憲とする訴えを退け、現行の法制度を維持した。政府は世論調査を根拠に「死刑は国民に広く支持されている」としているが、シンガポール国立大学が16年に実施した調査では、死刑の運用について「ほとんど知らない」または「よく知らない」と答えた人が62%に上っていたという。
記事は、「シンガポールを除けば、東南アジア全体の傾向は死刑の適用範囲を限定する方向に向かっている」としつつ、アジアの人権団体からは「東南アジア各国政府は本気で死刑を終わらせる決意を示しておらず、形式的な対応にとどまっている。オーストラリアやEU加盟国など死刑廃止国がより一層、各国政府に働きかける必要がある」との指摘が出ていることを伝えた。
このほか、国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルの報告書で24年に世界で執行された死刑は1500件余りで前年比で32%増加したことを伝える一方、この統計には中国の数字が含まれていないと指摘。報告書では中国が「界最大の死刑執行国」と位置付けられており、24年も例年通り数千人の死刑が執行されたとみられるものの、中国政府は具体的なデータを公表しておらず、正確な数字の把握は困難であるとしている。(翻訳・編集/北田)











