フランスメディアのRFIはこのほど、国際通貨基金(IMF)が18日に発表した中国経済についての年次評価リポートを解説する記事を発表した。リポートは、中国経済は今も世界経済の主要な駆動力ではあるが、世界第2の経済大国に成長した現在では、その成長モデルが直面する試練は、日増しに厳しさを増しているという。
IMF執行理事会は2月13日に中華人民共和国との第4条第1次協議を終了した。第4条協議とは、IMF協定第4条が定める、IMFの専門家チームが加盟国(この場合は中国)を訪問し、政府高官や中央銀行幹部と直接対話して、その国の経済状況や将来のリスクを詳しく調査することを指す。調査結果はIMF側がリポートとしてまとめる。中国側はIMFが作成した今回のリポートを公表することに同意した。
リポートは、中国経済は近年になりさまざまなショックに直面しているが、力強い輸出と刺激政策の支えにより、2025年の実質国内総生産(GDP)成長率は5%になり、中国政府が設定した年度目標に達したが、内需が依然として低迷していると指摘した。コアインフレ率はわずかに回復したものの、総合インフレ率は依然として低迷しており、25年は通年の上昇率は0%と予想されている。また、GDPデフレーターも下落し続けている。貿易相手国と比較して低いインフレ率は人民元安を招き、輸出増加が促進され、25年の経常収支の黒字をGDPの3.3%前後に到達させた。
26年のGDP成長率は関税と貿易政策の不確実性による長期的影響を受けて4.5%にまで鈍化すると予想される。ただしIMFは25年10月の予測よりも0.3ポイント上方修正した。デフレ圧力は持続すると予想され、経済の低迷が続く背景の下で、物価は緩やかにしか上昇しないと予想される。
リポートは、中国の経済見通しのリスクは依然として下振れ方向にあるとの見方を示した。
IMFは中国の政策立案者に対して、消費主導型モデルへの転換を最優先課題とするよう促した。一方で産業への支援を削減し、政府が提供する補助金額を現在のGDPの4%から2%にまで引き下げるよう助言した。同時に、地方政府がインフラ建設資金の調達などのために「地方融資プラットフォーム」と呼ばれる投資会社を設立して利用する方法は持続不可能として、債務を再編して将来の債務累積を防止するための措置を講じるよう促した。
リポートは、より強力なマクロ経済刺激、より完備された社会保障、および不動産セクターへの財政支援は内需、特に消費需要を喚起するのに役立つと指摘した。
中国経済は力強い輸出と財政刺激に後押しされ、多くのショックに直面しても強靭(きょうじん)さを示し、引き続き世界経済成長の主要な駆動力でありつづけている。しかし、世界第2の経済大国として、その成長モデルは日増しに厳しさを増す試練に直面している。内需低迷の原因の一つは長期的な不動産市場の低迷であり、さらに脆弱(ぜいじゃく)な社会保障のシステムが加わり、消費者の消費意欲を抑制していることだ。このことがデフレ圧力をもたらし、経済成長がますます外部需要に依存するようになった。しかし中国は、輸出が増加し続けることが今後数年間の持続可能な成長をけん引することを期待することはできない。
そのため、消費牽引型成長への転換が最優先の政策課題だ。元安による力強い輸出増加が内需不足を一定程度緩和している。しかし輸出の増加は貿易相手国に対して不利な波及効果を生じさせている。中国の膨大な経済規模と日増しに緊張する世界貿易情勢を考えれば、将来において輸出のみに依存して強固な成長を維持することは困難だ。
リポートは、中国当局は現状を打開するために歓迎すべき多くの政策措置を実施しており、内需、特に消費を喚起することの重要性を適切に認識していると評した。しかし、試練の規模と比較して、これまでに実施された政策措置は依然として限定的だ。中国は今後数年間で消費と内需を増やすためにさらに多くの措置を講じることができる。より強力なマクロ経済の拡張が極めて重要だ。同様に重要なのは、社会保障体系を強化し、不動産セクターの回復を支援することだ。
IMFは中国政府に対して、マクロ経済政策のパッケージを打ち出すよう助言し、その重点は財政刺激を強化し、さらに緩和的な金融政策とより大きな為替レートの柔軟性で補完することだと主張した。
リポートは、財政政策では社会保障を優先的に強化して、民衆の消費マインドを高めるべきと論じた。その対象は例えば医療保険、年金、失業手当、社会のセーフティーネットだ。
リポートはさらに、中国が所得税の累進性を高め、資本税を強化することを提言した。これらにより所得の不平等を減少させ、低所得層の可処分所得を増加させることができる。低所得層は往々にしてより消費を好む傾向がある。そのため、低所得層の可処分所得を増加させることは、消費成長を刺激することに直結する。
中国がIMFの政策提言を採用すれば、中国における消費のGDPに占める比率を5年以内に約4ポイント押し上げると期待できる。膨大な国内市場の潜在力を解き放つことは、経済成長の外部需要への依存度を低下させ、それによって中国経済の強靭性が高められる。
リポートは最後に、「われわれは次のことも忘れてはならない」と表明した。すなわち中国の世界経済成長への貢献率は約30%であり、したがって、よりバランスの取れた中国経済は、より強力でより健全な世界経済を意味すると指摘した。
(翻訳・編集/如月隼人)











