10年以上の経験を持つベテランパトロール員・劉吉高(リウ・ジーガオ)さんは早朝7時半にオフロード車を走らせ、湖北省石首市のシフゾウ国家級自然保護区に入っていく。

中国の固有種であるシフゾウは絶滅寸前というどん底から這い上がってきた動物だ。

約100年前に中国で一度絶滅し、わずかな個体だけが海外に生息していた。その後、1985年に中国は英国とシフゾウを再導入するための取り組みを実施することで合意し、22頭が北京市の南海子に帰って来た。そして、1993年から1994年にかけて、北京市のシフゾウ64頭が湖北省の石首シフゾウ保護区へ相次いで移され、野生復帰と野外個体群の再構築の取り組みが始まった。多くの人の努力が実り、同保護区に生息するシフゾウの数は2901頭にまで増え、自然に分散して三つの野生個体群約1600頭が生息するまでになった。

劉さんが午前8時に中心エリアに到着すると7.5キロ歩くパトロールを始めた。望遠鏡を持った劉さんは、草むらを歩きながら、見えるシフゾウを数えたり、そのふん便の性状をチェックしたり、角が網に絡まっていないかチェックしたりしていた。こうした観測を1日1日積み重ねることで、シフゾウが安心して暮らせる保護ラインを築き上げてきた。

湖北省で快適に暮らすシフゾウ―中国

劉さんはこの仕事を始めた2013年のことについて、「冬至前後に、抜け落ちた状態の完全なシフゾウの角を初めて見つけた。その時の興奮は今でも覚えている」と振り返り、「角を1本を見つけるたびに、健康に育っているシフゾウを1頭確認したことになる」と話し、その時からシフゾウを守るというのは単なる仕事ではなく、心にしっかりと刻み込まれた責任となったという。

現場でのパトロールのほか、今は保護にテクノロジーも駆使されるようになった。保護区の情報指揮センターでは、情報化管理員の戈先美(ガー・シエンメイ)さんが、「地上・空一体化総合監督・管理プラットフォーム」を食い入るように見ていた。監視ポイントは218カ所あり、450台の高画質カメラがリアルタイムで映像を送り、保護の網を張り巡らしている。

湖北省で快適に暮らすシフゾウ―中国

戈さんは慣れた手つきでモニター画面を操作し、あるシフゾウが耳をかすかに動かし、リラックスした姿勢を見せたりすると、「これは快適ということ。長時間動かなかったり、群れから離れていたりする場合はさらに観察が必要になる」と話す。

午後3時半になると、保護区の拠点からドローンが飛び立ち、その日2回目の空中パトロールを始めた。このような空中パトロールは1日に3回行われており、死角となっている場所をパトロールする。

高所5カ所に設置された遠隔操作カメラが自動で監視し、シフゾウの活動の軌跡を高精度に把握している。また、環境センターが水質や土壌のデータをリアルタイムで送っている。その他、保護区の周りには50メートルごとにスマート監視カメラと電子フェンスが設置されており、境界線を超えると0.1秒で警報が鳴るようになっている。このように、保護区ではスタッフによる観測記録からスマート監視システムによるモニタリングまで、保護の精密化とスマート化が進んでいる。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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