中国メディアの環球時報は3日、オーストラリアのシンクタンク、ローウィー研究所がこのほど発表した「政治的緊張にもかかわらず、日本の対中投資は増加」とする報告書について伝えた。

報告書は中国商務部の統計を引用し、2025年第1~第3四半期の日本の対中直接投資(FDI)が前年同期比55.5%増だったことに触れ、東京と北京の政治的距離がますます離れつつあるように見えるこの時期に日本の資本は逆の方向に動いているとした。

そして、対中投資が増加したのは日本だけではないとし、グリーンエネルギーとデジタル経済への関心がけん引して、スイスは66.8%増、英国は15.9%増、アラブ首長国連邦(UAE)は27.3%増だったことに触れ、中国は新たな5カ年計画の開始に伴い、「ターゲットを絞った開放」を推進し、製造業を幅広く開放する一方で、外資は人工知能(AI)や電気自動車(EV)、デジタルサービスなどの分野に厳選して流入しているとした。

また「外資の中国撤退」論についても、25年に新設された外資系企業数が前年比19.1%増の7万392社だったことを取り上げて反論。日本の大手企業は「In China, for China(中国で、中国向け)」と呼ばれる戦略を採用し、中国での事業展開を再構築していて、かつては中国から半製品を調達して輸出していたが、今では多くの企業が中国のサプライチェーンに直接組み込まれる傾向が強まっており、これは多くの企業にとって構造的統合の一形態となっているとした。

報告書は「より興味深いこと」として「第三国チャネルの台頭」を挙げ、英国やスイスなどの世界的なオフショア金融ハブは中国が西側諸国の資本や技術にアクセスするための間接的なゲートウェイとして台頭しつつあるとし、26年には地政学的リスクヘッジを目的とした日本企業が第三国に拠点を置く子会社や合弁会社を通じて中国に投資するケースが増える可能性があり、「この投資アプローチは、世界が中国と関わる際の新たなテンプレートとなるかもしれない」とした。

環球時報は、こうした報告書の内容を紹介した上で、中国商務部国際貿易経済協力研究院の研究員、周密(ジョウ・ミー)氏の話として「中国は長きにわたり外資系企業の投資と興業のホットな土地であり、中国に投資することは未来に投資することだ」と伝えた。(翻訳・編集/柳川)

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