2026年3月4日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版は「中国はなぜイランを見殺しにするのか」と題し、独紙フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)やスイス紙ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング(NZZ)といったドイツ語メディアの報道を引用して、イラン危機で中国が「静観」を選んだ背景を報じた。
記事はまず、FAZの分析を引用し、中国とイランが数十年来の伝統的盟友でありながら、北京がイランへの具体的支援を避けている背景を紹介。
また、中国はイランよりもサウジアラビアからはるかに多くの石油を輸入しており、イラン原油が中国の輸入全体に占める割合はわずか12%にすぎないと紹介。21年に締結された25年間で4000億ドル(約62兆8000億円)の対イラン投資協定も実行は極めて限定的であることにも触れた。
その上で、中国がイランに監視技術や防空システム、弾道ミサイルの核心材料を提供しているとされながらも、米国との安定した関係を損ねてまでイランを支援する意思はないと分析。中国紹興文理学院中東研究所の范鴻達(ファン・ホンダー)主任が「中国はすべての地域大国と良好な関係を保とうとしているが、すべてを一つの国に賭けることはない」と述べたことを伝えている。
記事は一方で、NZZの論評が静観戦略のリスク面に着目したことを紹介。イラン産原油の長期的な供給停止はエネルギー安全保障を直撃するほか、サウジアラビアが米国に接近しており、中国が行使できる政治的空間が縮小していると指摘したことを報じた。
さらに、中東の不安定化は「一帯一路」構想にも波及する可能性があり、海上シルクロードの要衝である中東航路が脅かされることで、保険料の高騰やタンカーの迂回が中欧貿易全体のコストを押し上げ、代替となるロシア・中央アジア経由の陸路も、不安定な政治パートナーへの依存を深めるというジレンマを生むと論じたことを紹介している。(編集・翻訳/川尻)











