中国にとって主要な石油供給国であるベネズエラとイランに対し、米トランプ政権が相次いで軍事攻撃を実行した。ロイター通信は一連の作戦により、「中国の習近平国家主席は米中首脳会談を控えて不利な立場に置かれることになった」と伝えた。

トランプ米大統領は3月31日から4月2日に日程で北京を訪問する予定とされる。ロイター通信は「トランプ政権は貿易が首脳会談の焦点になるとしているが、会談がどのような⁠展開になるのか、そもそも実現するのかさえ見通せない状況だ」とも報じた。

最近の状況について、ロイター通信は「米連邦最高裁がトランプ氏の『相互関税』を違憲と判断したことで、2月末まではトランプ氏が弱い立場で訪中することになるとの見方が強かった」と記述。「しかし、今や守勢に立たされ、イラク戦争以来最大規模の米軍事作戦に対して力強い反応を示せずにいるのは習氏の方かもしれない」と論評した。

イラン攻撃に対する中国の反応に関しては「『容認できない』と非難し自制を求めたものの、抑制的だった」と説明。「こうした対応は中国が米軍の行動に影響を与える余地が限られていることに加え、中国の外交が取引のような性格を帯びていることを示す」との専門家は話を紹介した。

米バイデン政権で駐中国米大使を務めたニコラス・バーンズ氏は「(中国は)権威主義の同盟国にとって頼りにならない友人であることを証明している」とX(旧ツイッター)に投稿した。

続いてロイター通信は「習氏はト‌ランプ氏を歓待するのか、あるいは予想される首脳会談を取‌りやめるのかという、気まずい選択に直面している」とも言及。「中国はまだ会談の日程を公式に確認していない。 会談を進める場合、米国が長期化する中東紛争に巻き込まれ、長期的には弱体化するという見立てに習氏が期待を懸けるかもしれない」とした。

さらに中国がイラン産原油の世界最⁠大の買い手であり、昨年は海上輸入する原油の13.4%をイランから調達したことにも触れ、「戦火が拡大した場合、とりわけホルムズ海峡が封鎖される事態では供給途絶の影響を特に受けやすい」と述べた。

アナリストによれば、中国は輸入を多様化できるものの、短期的にイラン産原油が失われれば価格圧力が強まり、国内製造業の利幅が圧迫される。

ロイター通信は「イラン攻撃は米軍が世界各地で軍事作戦を実行できる能力を有することを中国に再認識させる側面もある」との見方を示した。

上海・復旦大学の国際関係専門家、趙明昊氏は「イランへの攻‌撃と体制転換の可能性は、中国の利益に深刻な影響を与えるだろう」と注目。「米国が国際エネルギー市場を支配することで中国への圧力を強める可能性があるため、ベネズエラとイランでの米国の行動の背後にある意図を中国は見極めている」と指摘した。(編集/日向)

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