独メディアのドイチェ・ヴェレ(中国語版)は6日、「米国とイスラエルによるイランへの攻撃は国際法違反なのか?」との記事を掲載した。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、米国とイスラエルがイランに対して行った攻撃について、「国連憲章は他国に対する武力行使を禁止している」と述べ、これを非難した。
記事によると、イラン系米国人の人権弁護士ギスー・ニア氏は「多くの国際法の専門家は今回の攻撃が国連憲章に違反しているという点で一致すると思う」としつつ、「国際法の法体系は9200万のイラン国民に正義をもたらすことにも失敗している。彼らの多くは47年にわたるイラン政権の暴力に苦しめられてきた」と指摘した。
記事は、米国が行った軍事行動が疑問視されるのは今回が初めてではないが、2003年のイラク戦争とは異なり、今回は米国政府が自らの行動が国際法に合致しているのだと世界を説得しようとする様子は見られないとし、ドナルド・トランプ大統領が年初にニューヨーク・タイムズの取材で「私は国際法を必要としていない」と述べたことを紹介した。
米国とイスラエルは「自衛」を理由にできるか
記事は、「米国とイスラエルの当局者は、標的としているのはイランがもたらす核兵器の脅威だと説明している。しかし専門家は、この脅威が十分に差し迫ったものなのか、また国連憲章が定める自衛権の厳格な条件を満たしているのかについて、疑問を投げかけている」とした。
その上で、「国連憲章第51条では、国家が自衛反撃を行えるのは他国から武力攻撃を受けた場合に限られている。ただし、国際法のより広い解釈では『差し迫った脅威』に直面した場合に武力行使を認めるという考え方もある」と言及。「イラン当局者はこれまで何度もイスラエルを『破壊する』と脅してきた」としつつも、「敵対的発言だけでは予防的な攻撃を合法化する理由にはならない」との専門家の見解を紹介した。
また、米国のスティーブ・ウィトコフ特使が2月21日、イランが工業規模の核兵器用物質を生産できる状態まで「おそらくあと1週間」に迫っていると述べたことを挙げる一方、これは、昨年にイランへの空爆を行った後のトランプ大統領による「イランの核施設はすでに破壊された」との発言と矛盾すると指摘した。
ハメネイ師殺害について
記事は、イランの最高指導者ハメネイ師の殺害について「敵国の元首を殺害することは国際法上、極めて大きな論争の的となる。戦時には戦闘員を攻撃対象とすることが認められているが、他方で政治指導者を意図的に殺害する行為は暗殺と見なされる」と説明。「特に、今回の攻撃そのものが国連憲章の下で合法性を欠く可能性があるとされる中、ハメネイ師の死は『最も敏感な問題』とされている」と言及した。
その上で、ニア氏が「イランの最高指導者も長年にわたる数十万人のイラン国民の死(※今年1月の抗議活動に対する虐殺事件など)に責任を負うべき」とする一方、「一部のイラン人は、最高指導者が自らの罪について法廷で責任を追及されるのを望んでいた。
記事は、今回の攻撃が国際法を弱体化させるかという点について、「欧州の米国の同盟国は今回の攻撃に非常に慎重な反応を示している。多くの国は米国とイスラエルを直接批判することを避けつつ、地域の衝突が拡大することへの懸念を表明している」と主要国の微妙な立ち位置を紹介した。
また、政治学者のルカ・トレンタ氏が「国内法や国際法の制約を無視した粗暴な対外介入が増えている」とし、「特に懸念されるのは国際政治における暗殺で、今後増える可能性がある」との見方を示したことを伝えている。(翻訳・編集/北田)











