2026年3月6日、台湾メディアの中国時報は、台湾の観光競争力が構造的な崩壊に直面していると報じた。
記事は、春節期間中に桃園空港の出国者数が連日過去最高を更新し、多くの人が東京やソウル、ベトナム・ダナンへ流出する一方、国内の観光地は寺院の参拝客を除いて閑散としていたと指摘。
そして、国内の有名観光地にある主要ホテルのベーシックツインルーム料金が軒並み1万元(約5万円)近くに達し、「海外旅行は節約のため、国内旅行こそ本当の金持ち」とネットユーザーに揶揄(やゆ)される状況になっていることを紹介。日本の九州やベトナム・フーコック島への4泊5日の航空券・宿泊費が、墾丁や阿里山の高級民宿2泊分とほぼ同額になるという「価格の逆転現象」が、消費者を海外へ押し出していると伝えた。
また、高額な宿泊費に見合う文化的魅力も乏しいと分析しており、日韓では小規模な温泉郷でも地元の祭りや独自の工芸品、洗練された食体験を通じて「再訪意欲」を喚起しているのに対し、台湾では深坑、淡水、奮起湖のどこを訪れても夜市の商品や街並み、いわゆるご当地グルメが高度に同質化しており、「ここに来なければならない理由」を観光客が見つけられないと指摘している。
記事は、外国人観光客が台湾を訪れる上での障壁はさらに深刻だと言及。政府が観光産業の転換を大々的に打ち出しているにもかかわらず、国際的に悪評が定着した劣悪な歩行者環境は依然として海外の旅行フォーラムで話題となっており、歩道のない道路や混乱したバイクの流れ、高額で不透明なタクシー・チャーター車の料金体系が、個人旅行を好む欧米や日韓の観光客を遠ざけていると論じた。
このほか、交通部観光署が今年の訪台外国人観光客目標を940万人と掲げている点にも触れ、数字上は回復傾向が見えつつあるものの構造的には懸念が残ると分析。日本やベトナムが富裕層やデジタルノマド層を的確に取り込む戦略を展開する中、台湾の観光施策は消費金の配布や抽選といった短絡的な「ばらまき」にとどまっていると疑問を呈した。
記事はその上で、台湾はもはや安価な優位性を失っており、「台湾人は友好的」という精神論だけでは過酷な国際観光市場で生き残れないという厳しい現実を直視すべきだと結論づけている。(編集・翻訳/川尻)











