中国メディアの環球時報は6日、「日本の輸出額はなぜイタリアに逆転されたのか」と題する記事を掲載した。
記事はまず、経済協力開発機構(OECD)の統計として、2025年下半期のイタリアのドル建て輸出は日本の3700億ドル(約58兆7000億円)を上回る約3760億ドル(約59兆6000億円)に達したと説明。
今回の両国の逆転について、北京語言大学の国別・地域研究院で副研究員を務める董一凡(ドン・イーファン)氏は「双方の産業構造と輸出製品には明らかな違いがあり、外部環境の激変が日本の輸出により大きな衝撃を与えた」ことを原因に挙げている。
董氏は、「地政学的衝突に米国の関税政策が重なり、原材料の輸入に大きく依存する日本は製品コストが押し上げられ、国際市場での競争力低下を招いた」と指摘。また、日本の従来のハイエンド製品も他国の産業高度化や技術進歩に押されて市場の一部を失ったとの見方を示した。
一方、イタリアは日本に比べると輸出構成がより多様で、精密機械のほかに医薬品、ラグジュアリー品、食品、家具、衣料品などの分野も好調という。
中でもラグジュアリー品は「イタリアの強みであり、世界の貿易摩擦がエスカレートする中でむしろ比較的強い安定性を示している」といい、董氏は「グッチやプラダなどをはじめとするハイエンド消費財は高い付加価値を持ち、消費者はその価格変化に鈍感だ。関税引き上げの状況下でも、その需要は簡単に取って代わられはしない」とした。
また、イタリアの産業構造に見られるもう一つの顕著な特徴が「多数の中小企業による産業クラスターの形成」で、皮革、靴、宝飾、眼鏡などの分野で多くの企業が特定地域に集中し、専門的な分業を通じて完全な産業チェーンを構築している。経済協力開発機構(OECD)の分析によると、こうした産地型の産業構造によってイタリア企業は高品質の維持と柔軟な生産を両立させているという。
董氏はさらに、欧州連合(EU)市場がイタリアに広大な輸出空間を提供し、輸出の安定を大きく支えていると指摘し、これに加えてイタリアと中国との経済貿易関係が比較的安定していることや、イタリアが国際市場の多様化を積極的に進めていることにも言及。「イタリアが今回、日本を上回ったのは偶然ではない」として、「なぜなら現在の不確実性に満ちた世界の貿易環境の中で、イタリアの産業構造はより強靭(きょうじん)性を備えているからだ」と論じた。
董氏はまた、日本とイタリアの輸出が逆転したことから得られる重要な教訓として、産業構造の最適化、多様で柔軟な市場主体の育成、輸出先の多角化、イノベーションによる輸出製品の核心的競争力引き上げの必要性を挙げた。











