中国で、労働者が勤務時間外に仕事の連絡や業務対応を拒否できる「オフライン休息権」の保障が注目を集めています。

オフライン休息権とは、労働者が法定または合意された勤務時間外に、デジタルツールを通じた業務連絡や仕事の処理を拒否できる権利を指します。

インターネット技術の普及により、勤務時間と私生活の境界が曖昧になる中、SNSやメッセージアプリを通じて時間外の対応を求められる状況が広がり、「常に仕事中のようだ」との声も少なくありません。

第14期全国人民代表大会第4回会議と中国人民政治協商会議第14期全国委員会第4回会議(略称「両会」)の開幕前に実施された「より安心して働ける環境のために期待する施策」を問うアンケート調査では、「休息権の保障、労働時間や残業、オフライン休息権の規範化」が最も多く挙げられ、回答者の55.5%が選びました。調査には1998人が参加しました。一方で「オフライン休息権」の実現が難しい理由として、「関連する法律がない」(30.87%)、「仕事と生活の境界が不明確」(26.7%)、「職場のプレッシャーが大きい」(23.52%)などが指摘されています。

こうした「見えない残業」は両会でも関心を集め、全国政協委員の呂国泉氏は、現在の法律が勤務時間を主に「物理的な出勤記録」で判断しているため、デジタル環境下での残業が認定されにくいと指摘しました。労働者が勤務時間外に緊急でない業務連絡・対応を拒否する権利を法的に明確化し、企業がそれを理由に不利益を与えることを禁じるべきだと提案しています。

また、過度な残業文化は社会全体にも影響を及ぼすと指摘されています。2025年の全国企業の従業員の週平均労働時間は48.6時間に達し、標準労働時間換算では週6日勤務に相当します。専門家は、長時間労働が健康悪化や消費意欲の低下、出産意欲の減退につながる可能性があると警告しています。

中国経済が質の高い発展へ転換する中、労働時間の延長に依存した成長モデルは持続が難しくなりつつあります。休息権の保障と働き方の見直しは、労働者の生活の質向上だけでなく、内需拡大や経済活力の向上にもつながる重要な前提とされています。(提供/CGTN Japanese)

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