新興支柱産業が今年、初めて政府活動報告に組み込まれ、国家の未来の競争力に関わる戦略的配置がより一層明らかになった。
その背後にあるのは、中国が短期から中長期を見据えて打ち出した、第15次五カ年計画(2026~30年)期間における戦略的新興産業、新興支柱産業、未来産業で構成される新興産業発展の重要任務・計画だ。
中期的には、新興支柱産業は国民経済発展の新たな支柱を構築していくことになる。第14期全国人民代表大会第4回会議の経済テーマ記者会見で、国家発展・改革委員会の鄭柵潔主任は新興支柱産業について、「大まかな試算によると、集積回路、宇宙航空、バイオ医薬品、『低空経済』(低空域飛行活動による経済形態)、新型エネルギー貯蔵、スマートロボットという6大産業の関連生産額は、2025年の段階ですでに6兆元(約138兆円)に迫っている。2030年までには2倍に、あるいはそれ以上に拡大し、10兆元(約230兆円)を突破する見込みだ」という発展目標を明らかにした。
鄭主任によると、「現在、ロボットは2つの方向へと発展している。1つ目はますます人間のようになるという方向で、幅広い応用シーンが考えられる。2つ目は人間からかけ離れた形になる方向で、産業発展のニーズに基づき、指が6本になったり8本になったり、腕が5本も6本もついているようになるかもしれない」という。
このような生き生きとした言葉の行間から、新興支柱産業の発展に求められていることが読み取れる。それは、ロマンと想像力に富んだ高い技術と、地に足をつけて実際の問題を解決できる産業力だ。
10兆元規模というのは遠大な目標だが、決して空想ではない。実際のデータがそれを最も力強く証明している。
たとえば、宇宙航空。シンクタンクの賽迪智庫がまとめたデータを見ると、2025年に中国商業宇宙産業の規模は2兆8000億元(約65兆円)の大台に達して、前年同期比で20%以上増加した。
次に、バイオ医薬。中国工程院の顧暁松院士は、「2025年の全国バイオ医薬品市場の規模は5兆元(約115兆円)に達し、世界市場に占めるシェアが約22%になったと見られる。かつては全く手の届かない高価格の輸入品だった薬品が、中国産イノベーション医薬品が1つまた1つと開発されたことで、一般家庭でも同じ薬効を持つ製品が手に入るようになった」と指摘している。
さらに、低空経済は3回連続で政府活動報告に組み込まれた。2025年の市場規模は1兆5000億元(約35兆円)に達したと見られ、2030年には2兆元(約46兆円)を突破すると予想される。将来的には、深センから珠海まで「空飛ぶタクシー」に乗って出勤するのが、映画の中の1シーンではなくなるかもしれない。
国家情報センターの朱幼平研究員は記者に対し、「新興支柱産業には技術力の高さ、成長の可能性の大きさ、牽引力の強さといった特徴があり、今後は中国の質の高い発展を前進させる新たなエンジンになるだろう」との見方を示した。
しかし、6兆元から10兆元へと至る道は、決して平坦な道のりではない。
たとえば、集積回路の先進製造プロセスのボトルネックである先端マスクアライナー装置や先端材料は、ほんの少しのブレークスルーを達成するにも、通常の100倍もの努力が必要だ。ロボットは「大脳」により自律的に判断し、「小脳」により運動を制御するというシステムの難問を抱えている。
朱研究員は、「新興支柱産業のカギは成熟度にある。新興支柱産業はよちよち歩きの段階にある未来産業ではないと同時に、従来産業の単なるグレードアップでもない。技術は基本的に成功しており、ポテンシャルは検証されている。今必要なことは、資源を集中し、より大きな経済のフローを加速度的に形成することだ」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)











