第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議河北省代表団の全体会議の現場で、全国人民代表大会代表で中国楽凱集団会長の侯景濱(ホウ・ジンビン)氏の席に、一見普通の「書画」のような巻物が置かれていた。詳しく見てみると、それは画仙紙ではなく、セミの羽のように薄く、自在に巻き取ることができる「フレキシブルペロブスカイト太陽電池」だった。
侯氏は「これこそが未来の薄膜太陽電池の姿だ」と誇らしげに語った。シルクのように見えるこの電池は極薄、超軽量、かつ超柔軟性を備え、建材一体型太陽光発電(BIPV)の壁面や新エネルギー自動車の曲面、さらには個人装備などへの活用が期待されている。
設立から60年以上の歴史を持つ民族系工業企業がいかにしてこのような未来感あふれる製品を生み出したのかと疑問に思わずにはいられなくなった。
その背景には、10年以上にわたる研究開発への執念があった。かつての中国のフィルム産業の「埋もれた真珠」とも言える中国楽凱は、精密塗布とフレキシブルフィルムのコア技術に基づき、早くも17年前から第3世代薄膜太陽電池の開発に着手していた。
侯氏とチームは検討を重ね、業界で「究極の技術形態」と目されるフレキシブルペロブスカイト太陽光発電モジュールの「ロール・ツー・ロール(R2R)」生産に挑戦することを決めた。これはフィルムの生産ラインを太陽電池の生産に転用するようなものだ。開発中、チームは幾度となく深夜まで実験室に残り、塗布機の上でフィルムが形作られるのを注視し続けた。侯氏は、「この模索から得た教訓は、企業がイノベーションの主体となり、ハイレベルな研究機関との連携を通じてエコシステムを構築することの重要性だ」と述べた。
この理念に基づき、中国楽凱は天津大学と提携し、協働イノベーションの中で突破口を見出した。現在、同社は「一基幹二翼三支柱」の産業チェーンを構築し、24年には10メガワット(MW)規模のフレキシブルペロブスカイト電池ロール・ツー・ロール生産デモラインの建設に投資した。
しかし、侯氏がより重視しているのは、この技術の幅広い応用の見通しだ。新エネルギー自動車のソーラー屋根による自動充電から、スマートホームにおけるIoT(モノのインターネット)機器の室内光発電、さらにはニアスペース(近宇宙)飛行体向けの軽量・高効率なエネルギーソリューションなどが可能となる。
今年の全国両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議全国委員会)においても、侯氏の提案はやはり協働イノベーションに関するものだった。審議の中で、北京・天津・河北の3地域は科学技術体制の改革を加速させ、課題を共に解決し発展を共有する「パートナーシップ」を構築すべきだと提言した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)











