仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は15日、台湾・中央社の報道を引用し、中国で水を売ることが「もうかるビジネス」になっている理由について報じた。
データ調査機関GlobalData(グローバルデータ)の最新報告で、2024年の中国のボトル入り飲料水の市場規模は332億ドル(約5兆3000億円)に達し、消費量は623億リットルに上ったことが分かった。
記事によると、最近、上海市政府の公式ウェブサイト上にある「市民からの意見投稿欄」で、ある市民の書き込みが注目を集めた。それは、水道水を沸かすと味が強く、口当たりも良くないため、多くの家庭が水を買って飲むしかなく、毎月の出費がバカにならないという内容だった。
上海などの大都市では、デリバリー配達員がボトル入り飲料水を運んでいる光景を至るところで目にする。マンションの資源ごみ置き場では有名メーカーのミネラルウオーターのペットボトルが山積みになっている。こうした状況から、水を買うことは中国の家庭にとってもはや「ぜいたく」ではなく「必須」となっていることがうかがえる。成人1人の1日の飲水量を1.5~2リットル程度で計算すると、年間でかかる飲料水の購入費は1400元(約3万2000円)以上になるという。
記事は、「中国ではボトル入り飲料水ビジネスは巨大な富を生む産業となっている。安定した需要と高い利益率から、資本市場では『液体の黄金』とも呼ばれる」と説明した。富豪ランキングを発表する胡潤研究院によると、中国の飲料水メーカー・農夫山泉の創業者である鐘睒睒(ジョン・シャンシャン)氏は21年に初めて中国一の富豪となり、その後も首位争いを繰り広げている。
その背後では市民の不安がある。記事は「多くの地方政府は水道水の質は基準を満たしていると強調しているが、実際に使用すると電気ケトルの底に付く厚い水あかや蛇口から漂う塩素の臭い、さらに古い水道管による2次汚染への懸念に悩まされる住民も少なくない」とし、13年に河北省邯鄲市、14年に甘粛省蘭州市でそれぞれ起きた水質汚染事件も、いまなお人々の記憶に残っているとした。
こうした声に対しては中国当局も対応を進めており、1985年に制定された「生活飲用水衛生基準」は2006年と22年に大幅な改定が行われた。現行版では消毒の安全性や味・においなどの感覚的な指標に対する要求が引き上げられているという。
ただ、記事は、上記の上海市民の投稿に対して当局が「水道会社から供給される水の質は基準を満たしている」と定型的な回答をしたことに触れた上で、「国家の安全基準と市民が実際に感じる水質との間には、依然として大きな隔たりがあることを象徴している」と指摘。「この差が存在する限り、ボトル入り飲料水市場には絶えず需要が生まれることになる」と伝えている。(翻訳・編集/北田)











